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フワちゃん「プロレスは禊ではない」発言の真意…なぜ“再デビュー”するのか? スターダム社長が明かした舞台裏「誰よりも早く来てロープを張ってます」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/11/17 17:02
プロレス再デビューが発表されたフワちゃん
再デビューの舞台が両国国技館のビッグマッチに決まったことには「嬉しい反面、本当に生意気だなと。ただ横浜アリーナ、立川立飛アリーナ(という大会場)でお客さんと向き合ってきた自信もありますので、両国国技館を誰よりも盛り上げる覚悟を持って、ワクワクした気持ちで臨みたいです」。
後楽園ホールの観客の反応については、とりわけ感慨深げだった。
「みなさん凄くあたたかくて。声を出して応援してくれる文化……以前の試合はコロナで声出しの応援というのがあまりなかったので、ビックリしたし励みになったし力になりました」
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最も大事なプロレスラーとしてのポテンシャルに関しては、過去の試合を見る限りまったく問題ないと言える。これまでの2試合でコーチとタッグパートナーを務めた葉月は、フワちゃんをこう評している。
「プロレスの才能の固まりですね。“芸能人が中途半端にやってるだけだろ”と思う人もいるでしょうけど、全然そんなことないです。フワちゃんの才能は運動神経と負けん気。普通なら尻込みするようなことも“一回やってみます”とトライできるんです。やってみて納得できなかったら何回でもやりますし」
試合自体も「100点」と絶賛した。逆に納得していなかったのはフワちゃん自身だ。
「私も本物のプロレスラーになりたい。テレビ(の企画)でプロレスやって負けて、いい話に編集してもらって、それで終わりじゃ嫌です!」
「芸能人が呼ばれてやってるんじゃなくて、プロレスラーとしてのプライドを懸けて闘いたい」
「受身への批判」ネットの声に筆者が思うこと
そんな思いの延長線上に、今回のスターダム入団と再デビューがある。SNSでは批判の声が出ているし、実力、特に受身の技量に関する疑問も。ただ投稿を見てみると試合の一場面を切り抜いた動画だけを見た評価であり、しかもプロレスファンではないユーザーのものだった。それを「ネットの声」として取り上げてしまうメディアもあるのだが。
プロレスの受身は、そう簡単に批評できるものではない。と同時に“何か言った気になりやすい”要素でもある。実際のところ、試合で派手にぶっ飛ばされ危険な状態に見えても、それは“額面通り”ではなかったりする。

