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フワちゃん「プロレスは禊ではない」発言の真意…なぜ“再デビュー”するのか? スターダム社長が明かした舞台裏「誰よりも早く来てロープを張ってます」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/11/17 17:02
プロレス再デビューが発表されたフワちゃん
社長の証言「リングのロープを張ってます」
レスラーとしてのフワちゃんの可能性について聞くと、かなり大きいものだと言う。最大の魅力は、プロレスに取り組む姿勢だ。
「プロレスラーの力というのはアスリート的能力だけでなく表現力なども掛け合わせたもの。その意味で非常に魅力がありますね。練習では誰よりも早く道場に来てリングのロープを張ってます。練習後は我々にも動画を送ってくるんですよ。“今日はこんなことができるようになりました”と。
私が最初にフワちゃんに会ったのは一昨年。横浜アリーナでの試合の時です。当時はブシロードの別会社にいて、映画『家出レスラー』の仕事をしていました。つまりプロレス関係者ではなかったんですが、そういう自分にもとても丁寧に挨拶をされていたのが印象に残っていますね。そういう姿勢は、いま一緒に練習している新人たちにもいい影響があるはずです」
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質疑応答で本人にも確認したが、フワちゃんは芸能界復帰の足がかりとしてプロレスを選んだのではない。プロレスが好きで、プロレスがやりたくてスターダムに入団した。
「おそらく本人は、プロレスの世界でみなさんが思っている以上の高みを目指していると思います」(岡田)
フワちゃんは挨拶を行った当日、YouTubeに動画をアップ。活動休止中の日々を振り返った。後楽園ホールにはフワちゃんのYouTubeチャンネルのスタッフがおり、また公式サイトには「お仕事オファー」の項目も。芸能に類する仕事をしていくつもりもあるのだろう。
ただ“本業”はあくまでプロレス。曰く「プロレスラー・フワちゃん爆誕です」。いま現在の立場は「練習生」だ。
「YouTuberとしての活動など、これまでやってきたことは個人で継続してもらって構いません。スケジュールをすり合わせて、シリーズ前に参戦大会を決め、お知らせしていく形が理想かなと」(岡田)
スターダムでは他団体参戦や舞台出演などの理由から、全選手がフル参戦するわけではない。フワちゃんも、現状としてはまずメディカルチェックがあり、その上で状況を見ながら参戦大会を決めていくことになる。ただ、ビッグマッチだけの限定参戦で年に数試合、ということはなさそうだ。
「週4、5くらいで練習してます」
プロレスラーとしての目標は海外でも活躍すること。また「プロレスを広めるという目線でいったら、他の人よりも架け橋になれることもあるんじゃないか」と言う。だがまずはしっかりプロレスに取り組むことが最優先だとフワちゃんは繰り返した。
「週4、5くらいで練習してます。誰よりも多く道場に通って誰よりも長く道場にいて、プロレスラーを全うしていきたいと思っています」

