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フワちゃん「プロレスは禊ではない」発言の真意…なぜ“再デビュー”するのか? スターダム社長が明かした舞台裏「誰よりも早く来てロープを張ってます」
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/11/17 17:02
プロレス再デビューが発表されたフワちゃん
活動休止に入ると海外に留学、現地のレスリングスクールで練習をしたことも。芸能界で売れっ子だっただけあり、やはり頭というか勘がいいなと思う。コメントは緊張しながらも明るい口調、リング上では「敬語も覚えました」と観客を笑わせた。さらに“禊としてプロレスを利用しているのではない”と先んじて伝えた。
スキャンダルで業界を離れたタレントが介護の現場で働いているといった話もあるが、その度に「介護の仕事は“罰”なのか?」といった批判が出てくる。プロレスで「ボコボコにされる」こともそうだ。プロレスファンにしたら、選手たちの技を“反省の証”などにされたくない。フワちゃんは、そんなファンの感覚、危惧を分かっていた。
オファーではなく、フワちゃんの申し出
もちろん、プロレス業界がさまざまな芸能人をリングに上げ、その知名度を“利用”してきた過去もある。よくも悪くも他ジャンルからの転身、出直しの舞台になってきたことは間違いない。そもそも日本プロレス界の父・力道山がそうだった。
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フワちゃんはスキャンダルで活動休止中の身。スターダムとしては受け入れに慎重だったはずだ。まして、この団体が属するブシロードグループは上場企業である。“多少ダーティなイメージがついても話題になればいい”というわけにはいかない。
岡田社長は今年4月、アメリカでのスターダムラスベガス大会に観戦に来ていたフワちゃんと対面し、夏頃に入団の話し合いを始めたという。スターダムからのオファーではなく、フワちゃんの申し出によるものだ。
「個人的にはスターダムが、プロレスがもっと広まるチャンスだなと。ただ会社としていろいろなリスクも考えなくてはいけない。関係各所に話を通して、その上でわりと早めに“プラスが大きい”という判断になりました」
フワちゃん入団の反響は「予想以上」だと岡田社長。再デビュー戦の6日後、1月4日には親会社である新日本プロレスで五輪金メダリストのウルフアロンがプロレスラーデビューを果たす。新日本とスターダムは“ウルフアロンとフワちゃんを擁するプロレス団体グループ”になるわけだ。

