「なぜドラフト直前で進路変えた？」プロ12球団が注目、超有望ピッチャーの進路変更ウラ側…監督が伝えた“ある言葉”「恩師は菅野智之の同期だった」 

　車中で話すことはなかったが、黒田の話に耳を傾けた藤本は、見学した2つの大学の試合映像をスマホで検索した。このときにはもう、気持ちは「大学進学」へと固まっていた。藤本が言う。

「今まで知らなかった大学野球に触れさせてもらって、まだ自分にはプロで通用する武器がないと感じました。今は求められる球速が上がっているので、それをクリアした上で空振りを取れる変化球を磨く。大学で一番必要とされるピッチャーになりたいと思いました」

　見学から約1週間後の9月上旬、進路希望を東海大に定めた。再び藤本の言葉。

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「大学進学を考える前から、黒田さんに『英数学館の色は東海大の色』と聞いていたんですが、練習の雰囲気が似ていると思いました。自分で考える時間がある英数学館の環境だから成長できたと思うので、それに近い東海大ならもっと成長できるかなと」

中国地方でNo.1高校生投手だった藤本 ©Kota Inoue

OB多数「プロ野球界の東海大」

　見学時に東海大・長谷川監督から聞いた言葉も決断を後押しした。藤本が続ける。

「『東海は一つの家族だから』という話をしていただきました。大学だけでなく、付属校を含めたら、色々なところに東海大につながりのある方がいる。そのつながりに助けられている、と。黒田さんの話を含めて、将来プロに行ったときに必ずプラスになると思いました」

　東海大は黒田の母校でもある。一貫して「自分が東海出身なことは気にせず、自分の行きたい方に行けばいいから」と話していた黒田だが、愛弟子が後輩となることは指導者冥利でもある。

「やっぱり嬉しいですよ。いちOBとして『ここでやりたい』と思ってくれたのは。東海に行ってなかったら、今の自分はないですし、縁もゆかりもなかった福山で監督していなかったのは間違いないので」

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