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元ドラ1の36歳ゼロからの挑戦「メジャー経験なし」なぜ福田秀平はMLBマリナーズに雇われたのか? “憧れのイチロー”と過ごした充実のアメリカ生活 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2025/11/14 11:03

元ドラ1の36歳ゼロからの挑戦「メジャー経験なし」なぜ福田秀平はMLBマリナーズに雇われたのか? “憧れのイチロー”と過ごした充実のアメリカ生活<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

来年2月で37歳になる福田秀平。11月14日に開幕した中東・南アジア初のプロ野球リーグ「ベースボール・ユナイテッド」のシーズン1には、プレイヤーとして参戦する

――そのほか、イチローさんの言葉で印象に残っていることはありますか?

福田 たくさんあるんですけど……心に響いたのは“最後の言葉”ですかね。『こっちに来た時と今では考え方が変わってると思うし、そういう経験をまた来年も』と声をかけてもらって。殿堂入りされているような偉大な方も、積み重ねを大事にしているんだと知れて本当に貴重な経験でした。

――シアトルでのイチローさんの人気はやはり絶大でしたか。

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福田 街を歩くとイチローさんのユニフォームを着ている方ばかりでした。大げさではなく1/3か1/4ぐらいはいらっしゃって。グッズショップでもメインに置かれているのはイチローさんのグッズですからね。スプリングトレーニングの時は、フリオ・ロドリゲスやカル・ローリーといった看板選手への歓声がすごいんですけど、イチローさんが登場した時はそれ以上です。シアトルの人々みんながリスペクトしています。僕も小さい頃から憧れていた方なので、今年はとんでもない経験をさせていただいたという思いが強いです。(質問数は)100超えてたと思います(笑)。

MLBの指導は何が違う?

――MLBのトップでいろんなことを学んだと思いますけど、下のカテゴリーではどんなことを得ましたか?

福田 コーチが厳しく指導する場面は多かったように思いますね。たとえば「全力疾走」とか。アメリカ野球のイメージと違うと感じる方もいると思うんですけど、マイナーでは打ったら全力で走ることを徹底していました。打球をポーンと打ち上げてしまっても全力で走る。あとはイニング間、キャッチャーがセカンドにしっかりスローイングするところも日本と一緒で見られていたりと、マリナーズでは細かいことから徹底して指導されていました。選手に対して、コーチが熱いんです。

――コーチ陣の人数も多そうですよね。

福田 たしかにメジャーはコーチが多いんですけど、マイナーは5人ですね。監督、ベンチコーチ(三塁コーチも兼務)、バッテリーコーチ(一塁コーチも兼務)、ピッチングコーチ、ヒッティングコーチ。マリナーズのことしかわからないですが、NPBに比べて少ないと思いますね。そこを巡回コーチが補う感じですね。実際に僕も一塁のコーチに何度も立ちましたから。

―― 巡回コーチとはいえ、任されることも多いのですね。

福田 AAA、ハイA、ローAで一塁コーチやりました。その都度、選手にどう指示を送るか、適切な言葉を覚えながら。あと、走塁ミーティングを『今回は任す』とすべて委ねられることもありましたね。次の日のピッチャーのデータを見ながら、こういう時に牽制があるとかをミーティングで喋ったり。あとは『今週の野手練習を頼む』と言われ、ドリルや練習メニューを考えることもありました。

――全カテゴリー、いろんな選手と密に関わる機会も多かったとなると、保有人数が多いMLBは大変ですね。

福田 そうなんです。名前を覚えることがまず一番はじめにしなきゃいけないことで。今年は挨拶の時に名前をしっかり呼んであげることを徹底しましたね。

――巡回コーチは何人いるんですか?

福田 マリナーズは少なくとも10人以上はいました。走塁コーディネーター、ヒッティングコーディネーター、ピッチングコーディネーター。コーチ陣を仕切るボスもいますし、メンタルスキル担当の方も。そこに僕みたいなアサインメントコーチが4〜5人。アナリストのことを「ビデオ」と呼ぶんですけど、マリナーズはそこまで多くない印象です。後編に続く〉

#2に続く
「ドジャースとWS対決」は叶わずも…“メジャー未経験”福田秀平がMLBコーチ1年目で見た景色「俺たちは家族なんだ」ミーティングで震えた24歳の言葉

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