元ドラ1の36歳ゼロからの挑戦「メジャー経験なし」なぜ福田秀平はMLBマリナーズに雇われたのか？ “憧れのイチロー”と過ごした充実のアメリカ生活 

福田　バッティングから走塁、守備の技術。あとはコーチング、マネジメント、そして野球観、すべてですね。あとは僕がマリナーズで日本人選手のスカウティングも任せてもらっているので、どういった選手がMLBで活躍できるのか、そんなことも聞いたりしました。

ソフトバンクの日本一に貢献した2019年オフ、6球団競合の末にFAでロッテに入団した福田秀平（写真は2022年）©︎JIJI PRESS

キャッチボールするイチローさん　©︎JIJI PRESS

――イチローさんはなんと？

福田　日本人が思っている以上にMLBでは守備力が重要だとおっしゃっていました。打撃よりもまずは守備で苦労するケースが多い、と。

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――確かに打撃に注目が集まって移籍するケースがほとんどです。

福田　はい。僕自身も選手と一緒に身体を動かしていると、外野手として天然芝の難しさを感じました。あとは太陽。これは聞いた話ですが、ほとんどの球場で太陽が（打球を追う目線と）かぶるらしいんです。日差しにどう対応するかということも非常に重要な要素なんです。試合中だと真上に太陽があったりすることも少なくないので。

ーー天然芝など環境の違いもそうですが、かつてMLBでプレーした西岡剛さんや岩村明憲さんらは打球の強さに戸惑ったとおっしゃっていました。打球が強く、ボールが滑るようにグローブからこぼれるみたいで、グローブの出し方がわからなくなる、いわば“グローブイップス”みたいなことが起こると聞いたことがあります。

福田　内野はすごくタフだと思いますね。MLBの選手はみんなハンドリングがすごく上手ですよ。試合前でも必ず練習してますし、思っている以上に守備に力を割いてやっていると思います。

――バッティングよりも守備？

福田　もちろん、バッティング練習にも力を入れてやってます。ただ、僕が今年いろんなカテゴリーの練習を見てきましたが、どの段階でも守備の重要性を上位に置いているような印象を受けました。それぐらい徹底してやりますね。

ドジャース戦前、山本由伸を談笑する福田秀平コーチ　©︎Sankei Shimbun

――LAでドジャースの練習を取材しましたが、一番最初に出てくるのはムーキー・ベッツで、その次がフレディ・フリーマン。いずれもまずハンドリングの練習から。ずっとノックを受け、小さなグローブでゴロ捕りの練習をずっとやっていました。シアトルはどうなんですか？

福田　まったく一緒ですね。まずは、内野守備のコーチがドリルを全員に課して、それから練習がスタートという形です。ホークスやマリーンズでも守備練習に力を入れていましたし、日本とアメリカを（簡単に）比較はできないですが、MLBでポジションを取る上で守備は大きいと思います。

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