「阪神の打率.193」「勝利の方程式・経験値で明暗」戦力互角のはずがソフトバンク4勝1敗の要因…甲子園では“阪神電車ではよ帰れ”小競り合いも 

　左翼外野席はほぼすべて阪神の応援席。CSの日本ハムの応援席の3倍はあっただろうか？ 場外に設けられた阪神グッズ売り場には長蛇の列ができていた。まさに「猛虎襲来」だった。

　甲子園の観客席は冷え込んでいたが、劣勢だったこともあり、周囲の阪神ファンのアルコール摂取量は急増していて、試合も後半になると手拍子や掛け声がワンテンポ遅れるお客が目立った。筆者の通路を隔てて隣のお客は、阪神が得点して立ち上がった拍子に、前のめりに倒れて階段を10mも転げ落ち鼻血を出した。周囲のお客にビールの売り子までが駆け寄って戦場のような騒ぎになった。

©Kiichi Matsumoto

　左翼のソフトバンク応援席は、勝利が決まると「阪神電車ではよ帰れ！」のシュプレヒコール。南海時代、ホークスは大阪球場で勝つと「阪急電車ではよ帰れ」「近鉄電車ではよ帰れ」とやっていたのだ。しかし最近のお客はそれを知らない。「お前らも阪神電車で帰るのやろが！」とちょっとした小競り合いがあったが、阪神ファンにはストレスのたまる頂上決戦だった。〈ワールドシリーズ編につづく〉