「学生には重すぎるな…」ある“箱根駅伝の伝統校”監督が呈した「連続出場記録」へ苦言のワケ…「11番と言われた時のコメントも考えていた」 

　ただ、学生駅伝は毎年選手が入れ替わり、毎年別のチームで戦っている。その現場で学生を指導しているからこそ、連続出場という言葉が内包する「厳しさ」が痛いほどわかり、その言葉に付随する「明暗」と「ドラマ」を意識的に、または無意識的にメディアが求めていることに、教育者として一言言いたかったのだろう。

　厳しい言葉が続いたことに、ちょっと気まずくなったのか、玉城監督はこう続けた。

「でも（予選を）通ったので、チャンスをいただいたので、これから頑張っていきます。すみません、私の愚痴を聞いていただいて」

「伝統の集団走」を引っ張った4年生の存在

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　玉城監督から投げかけられた言葉を頭の中で反芻しながら、予選会での選手たちの走りについて数人の記者で話を聞く。

「学生も自分の勝手な思いや走りではなく、チーム戦略に徹して走ってくれたのがこの結果につながったと思います。（集団走は）10kmから15kmのところでラップが10秒くらい遅くなりましたが、山崎（丞）が引っ張っていて、感覚的にこれ以上ペースを上げていくとバラけてしまうという危機感があったんじゃないかな。僕らの指示ではなく、山崎なり、4年生が集団の前後にいての感覚だったのだろうと」

伝統の集団走を引っ張った4年生の山崎　©Yuki Suenaga

――エース格の山崎くんに集団を引っ張らせた狙いは？

「山崎は焦らず、きっちりいく必要のあるレースの経験がありましたし、非常にペースメイクがうまいんですね。いいリズムでみんなが走りやすくて、山崎に任せておけばみんな安心というのがあったので。まぁ（山崎には）無理を言いました。田島（駿介）や平島（龍斗）と一緒に自分のペースでいきたかったというのが本音ですよ。ワンチームのために良くやってくれました」

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