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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「学生には重すぎるな…」ある“箱根駅伝の伝統校”監督が呈した「連続出場記録」へ苦言のワケ…「11番と言われた時のコメントも考えていた」
posted2025/11/05 06:01
10月の予選会で9位に入り本選出場を決めた日体大の玉城良二監督。一方で近年、チームの枕詞に使われる「連続出場」には苦言も呈した
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
Yuki Suenaga
ことしも学生駅伝シーズンがいよいよ幕を開けた。先月には、最大の舞台となる年始の箱根駅伝に向けた予選会も開催。各チーム、ほんの数秒を争う戦いは、いくつものドラマを生んだ。さて、そんな明暗が分かれた現場を取材した記者が、ある伝統校の監督が「警句」を発する場面に立ち会ったという。その内容とは、一体何だったのだろうか?《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
10月18日に立川・昭和記念公園で行われた箱根駅伝予選会。筆者がレース後の取材のために足を向けたのは、9位で予選を通過した日本体育大学だ。
日体大監督が語った「連続出場記録」への考え
取材エリアに入り、報道陣に囲まれている日体大・玉城良二監督の姿を視界に捉えると、聞こえてきたのはこんな言葉だった。
「それ(連続出場のプレッシャー)は並大抵のもんじゃないですよ。僕なんかはあと10年もしたらあれだけど、学生は今後50年、連続出場を途切れさせた学年と言われてしまう。そんなことを背負わせる必要はないと思うんですよ」
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聞いていて背筋が伸びた。これは世間や駅伝ファンへ向けたものではなく、自分たちメディアに向けられた言葉だと思った。
「それを背負わせなくちゃいけないわけですよ。もちろん、その(伝統の)分、応援してもらえる、支えてもらえるというのもあるのはわかります。でも、学生には重すぎるな。何年連続出場っていう書き方、伝え方、あれ、何がいいの? うちの大学を紹介するときに最初に形容詞として使いたいだけでしょ」
そして出てきたのが、「陸上をやめちゃうっていう選手も出てきちゃいますよ」という衝撃的な言葉だった。
もちろん、玉城監督はメディアが「連続出場」をその歴史と伝統を讃える気持ちで使うことも理解しているだろう。

