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ベッツ断言「オオタニは7億ドルの価値がある」ドジャース戦友が語る大谷翔平の超才能「それがクレイジー」「心から本気だ」カーショウもズバリ
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ジャック・ハリスJack Harris
photograph byAP/AFLO
posted2025/11/05 06:03
ベッツ、カーショウらドジャース歴戦の雄も大谷翔平の才能を、心底から認めている
シーズン序盤、シカゴ・カブスの本拠地リグリー・フィールドの試合が雨で中断したことがあった。すると、クリケットのバットを持ってバッティング練習を始め、チームメイトたちの笑いを誘ったのだ。
「彼は快活で、茶目っ気があり、よく冗談を言うよ」
ストレングス&コンディショニングコーチのトラヴィス・スミスは言う。
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「四六時中、真面目な顔をして野球に集中しようとする選手もいる。でも(大谷が独特なのは)普段は明るくておもしろいのに、グラウンドに出ると気持ちが切り替わるところさ」
チームの飛行機で大谷の近くに座ることが多いリリーフ投手のアレックス・ベシアは、熟睡ぶりで知られる大谷がよく通路に手足を投げ出し、6フィート4インチ(約193センチ)の大きな体の一部を通路にだらんと伸ばしている姿を思い出して笑った。
「とにかく気さくな、普通の人間だよ」
ベシアは言う。
世界的な有名人なのに…それが一番クレイジー
大谷が日本のアニメが好きなところにも、ドジャースのチームメイトは好感を寄せる。6安打を放ちシーズン50本塁打50盗塁を決めた、歴史に残るマイアミの試合の夜でさえも「バスに乗ったらアニメの話をしていた」とリリーフ投手のジョー・ケリーは言う。
「野球がうまいだけじゃなくて、世界的な有名人なのに、ストレスで辛そうなところを一度も見たことがない。それが一番クレイジーだよ」
とはいえ、大谷が(不本意ながら)引き寄せた、スター目当てに群がる人々が、今季のドジャースに負の影響を及ぼさなかったわけではない。
ロバーツ監督が春季キャンプで、(のちに放出された)ジェイソン・ヘイワードを大谷目当てのメディアの大群に対応する「非公式のスポークスマン」に任命すると冗談交じりで言ったら、翌日何十人もの記者がこのベテランに押しかけた。〔訳注:ロバーツは現役時代、バリー・ボンズのチームメイトで、ボンズ目当てに押しかけるメディア相手のコメント役を引き受けたことがある〕
ヘイワードはこの役割をうまくこなしたが、「ショウヘイについて語るなら本人が一番だ」とも記者たちに伝えた。もっとも、大谷がシーズン途中に試合前のメディア対応を断るようになったので、こうした記者との接触も徐々に減っていった。
ベッツ「だからこそ7億ドルの価値がある」
また、3月のドジャースのホーム開幕戦では、何人かの選手がクラブハウスに詰めかけた記者たちにあからさまに不快感を示し、これほど多くの記者がいると選手の日常に支障をきたすと不安を口にした。
それから半年。いまや多くの選手やコーチが、地元ロサンゼルスから日本で放送されるテレビ番組まで、数えきれない大谷関連のインタビューに協力している。

