大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
大谷翔平「さっき言った通りですね。同じ質問なので…」記者会見で大谷が“口にしない”話題…「10奪三振&3HR」二刀流を支えるメンタリティの舞台裏
posted2025/10/28 06:00
現地で取材を続ける記者が見た、大谷の成功を生むメンタリティとは
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
Getty Images
WS連覇を目指すドジャースの大谷翔平。ポストシーズン序盤の“不調説”を覆し、ブルワーズとの第4戦では「10奪三振と3本塁打」という異次元の活躍を見せた。現地で取材を続ける斎藤庸裕氏が見た、“二刀流”を支えるメンタリティとは? その舞台裏を解説する。
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ESPNの名物記者が大笑いした瞬間
10月17日、ドジャースタジアムのバックネット裏記者席で、驚きを通り越した大笑いが響いた。声の主はESPNの名物記者ジェフ・パッサン氏。大笑いの瞬間は、ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦の7回1死、大谷翔平投手(31)が、この日3本目の本塁打となる中越えアーチを描いた時だった。
先発投手として10奪三振をマークし、打者として3本塁打。ポストシーズン史上最高のパフォーマンスと称された。約1週間後、ブルージェイズとのワールドシリーズ前日、各チームの選手がメディアの取材に応じる場でも、大谷の話題が上がった。
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サイ・ヤング賞3度、通算221勝、通算3489奪三振のレジェンド右腕ブルージェイズのマックス・シャーザー投手(41)は、10奪三振と3本塁打、どちらが印象的だったかを問われ、即答していた。
「3本塁打だね。それは、難しいことだ」
自身は08年にデビューして以降、両リーグにDH制が導入されるまでで529打席に立ったが、わずか1本塁打。投手による本塁打がいかに難しいか体感しているからこそ、価値の高さを感じているようだった。

