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ドラフト裏話…なぜ“絶不調だった高校生捕手“が楽天から4位指名? 現場で記者が見た“笑顔の裏”での葛藤「順風満帆の高校生活と思っていたら…」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2025/10/25 17:00
楽天から4位指名を受けた福島・学法石川高校の大栄利哉。高卒の捕手では最上位の指名となった
6歳だった2013年の日本シリーズ第1戦で、兄・陽斗の始球式を見てから楽天ファンとなった。
ドラフト前に調査書が届いた5球団どこでも指名があれば入団するつもりでいたが、「できれば楽天に」という願望を秘めていた。
意中の球団からの4位指名。そして、高卒キャッチャーでは最上位での指名である。これも、彼にとっては意外だったはずである。
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「ほっとした」は、純粋にプロ野球選手になれるという安堵である。「ドラフト候補」と注目を浴びていながら、実は大栄はプロ志望届を提出するまで「本当になれるのか?」と、不安を払しょくできずにいた。
恩師も「いろんなことが起きた」…波乱万丈の3年間
そしてそれは、恩師である監督の佐々木にとっても同じだったというのだ。
「順風満帆の高校生活だと思っていたら、そこからいろんなことが起きましたから。こちらも葛藤がありましたね。果たして、プロと表明させていいものか? と」
監督の言葉には、大栄の高校3年間の紆余曲折がありありと滲んでいた――。
<次回へつづく>

