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ドラフト指名漏れ球団の残酷な現実「お待たせしたのに申し訳ない」くふうハヤテ社長が記者の「オイシックスには指名が…」質問にポツリ本音
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間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2025/10/27 11:01
会見でドラフト会議を見守った、くふうハヤテの(左から)宮路投手、池田球団社長、仲村内野手
くふうハヤテは昨年、早川太貴投手が阪神から育成3位で指名された。調査書が届いた唯一の選手が、球団初のドラフト指名を受ける結果となった。今年は宮路投手と仲村選手の2人に調査書が届いた。今シーズン、宮路投手は24試合に登板して0勝2敗4セーブ、防御率2.88。25イニングで31奪三振を記録した。仲村選手は全123試合のうち、122試合に出場した。打率.230と好不調の波はあったものの、広角に打ち分ける打撃と1年間戦う体の強さを見せた。
池田球団社長は「支配下での指名もあると思っていた」と話すほど、今年のドラフトに期待を寄せていた。それだけに、2人が育成でも指名されなかった事実を受け入れるのが難しかった。しかし、報道陣の取材には、落胆や悔しさを表に出さず対応していた。
「オイシックスは指名が」の質問に…
“パンドラの箱”が開いたのは、ある質問が飛んだ時だった。
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「同じ時期に二軍へ参入したオイシックスは、支配下でも育成でも指名がありました。それに関しては、いかがですか?」
オイシックスという一語で、池田球団社長にスイッチが入った。感情を隠すことなく、「めちゃくちゃ悔しいです」と本音を漏らした。
ドラフト会議の行方を終始落ち着いて見ていた池田球団社長が表情を変えたのも、オイシックス新潟の選手の名前が読み上げられた時だった。阪神が5巡目で能登嵩都投手を指名すると、池田球団社長は体をのけぞらせて天を仰いだ。オイシックスは能登投手のほかに、育成でも2人が指名された。昨シーズンからともにファームに参入したライバルに“完敗”し、くふうハヤテの選手が指名されなかった池田球団社長の悔しさは抑えられないほどに膨らんだ。
「今回の結果を糧にして、来シーズン以降のチームづくりを考えていきます。オイシックスに入ったほうがいいんじゃないかという空気が流れないようにしなければいけません」
オイシックスとの決定的な差とは
悔しさはある。だが、池田球団社長はチームづくりの課題を冷静に受け止めていた。オイシックス新潟の能登投手は今シーズンが大卒2年目。篠崎投手をはじめ育成も含めて5人が指名された徳島インディゴソックスの選手たちも20代前半と若い。一方、くふうハヤテの宮路投手と仲村選手は、ともに今年度に26歳を迎える。ドラフト対象の選手としては年齢がネックになる。
池田球団社長が語る。

