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NBAレイカーズ八村塁“バスケ代表復帰”に前向き「やっと一歩進んだ」153人の中高生の前で誓った約束「日本人の誇りを感じた夏」
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byHochi Shimbun/AFLO
posted2025/10/24 17:02
今夏に行われた『BLACK SAMURAI 2025』キャンプの様子。八村塁も実に楽しそうだった
『BLACK SAMURAI 2025』キャンプでは、3314人の応募から選ばれた153人の中高生が参加した。八村は「一生懸命を楽しむ」「覚悟」など、自身がNBAを目指し、NBAで6年間活動するなかで学んできたことを、直接、キャンプに参加した選手たちに伝えていた。最終日の「ザ・ショーケース」では1万510人の観客の前で、NBAの試合前に行っているワークアウトを公開で披露したりもした。
9月末、ロサンゼルス・レイカーズでのメディアデーのときに、八村に夏のキャンプから得たモチベーションについて聞くと、彼はこう語った。
「日本人である誇り、僕に対する愛情とか、僕がどれだけこう成長してきているかっていうのを日本のバスケ(界)が感じてくれたので、僕としても感動しましたし、すごく不思議な気持ちになりました。これからも、僕ももっと頑張っていきたいなと思いますし、子供たちにどんどん影響を与えられるような選手になりたいと思っています。一言で言うと、やっぱり日本人としての誇りをすごく感じた夏だったなと思います」
ファンから飛んだ直球質問
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そのキャンプ最終日のファンとの質疑応答で、注目のやり取りがあった。1人のファンから「今後、日本代表で活躍する八村選手を期待してもいいでしょうか」と尋ねられた八村が、笑顔で「みなさん、もちろんです!」と断言したのだ。
八村は去年11月、メディアとの取材の中で、日本バスケットボール協会に対して、「プレイヤーファーストではない」「そういう方針でいっている日本代表ではプレーしたくない」と不満を漏らしていた。それに対して協会側としても対応しようとしてはいたが、ちょうど会長や技術委員長が交代する時期だったというタイミングの悪さも重なり、半年余の間、大きな進展は見られなかった。
ファンの直球質問もそういった状況下で投げかけられたものだった。それだけに、八村自身がその場で「もちろんです」と断言したことに、関係改善の兆しが感じられた。
実はこの翌日、八村は、日本バスケットボール協会の会長に内定していた島田慎二(その後、9月27日に正式決定)と対面し、日本代表をはじめとする日本のバスケットボールに関して、意見交換をしている。
八村は後に、そのときの会談について次のように振り返った。


