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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「駅伝でいい印象がないです…」駒大“次代のエース”は失意…「どこかに驕りがあったかも」出雲駅伝5位から全日本で立て直しへの収穫は?
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佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2025/10/16 11:02
出雲駅伝で5位に終わり、藤田監督も厳しい表情。誤算だった2年・桑田駿介の今後の起用をどうしてゆくか
3大駅伝初出場の菅谷も、遅れた状況で難しい走りになったが、3番以内には届かず、区間8位に終わり、「まだ合格は出せないかな」と藤田監督は語る。
レース後の記録会では今年も好走が
しかし今季の課題や問題が露見したとはいえ、ネガティブなことばかりではない。
4年生は、区間賞には届かなかったものの安定した走りで、次への期待が膨らんだ。また、レース後の出雲記録会(5000m)では、昨年好走した谷中同様に、安原海晴(3年)が最初からトップで引っ張り、積極的なレース展開で2位(13分57秒74)になった。
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汗だくになった安原は、「悔しい」と連発した。
「自分が行かないとスローペースになりそうだったので前に出ました。ラスト1周になった時、絞り込みがきかなかった。昨年の谷中のことがあったので、自分もという気持ちでいましたし、他大学の補欠の選手との戦いでもあるので、勝ちたかったのですが、ラストで差されてしまったのが悔しい。詰めが甘かったのが反省です」
昨年、ここで谷中は13分49秒71のトップでゴールした。インターハイで出した自己ベストを10秒以上も更新して、出雲で負けたチームの暗いムードを払拭、全日本の出走につなげた。そして本番では4区3位の好走を見せた。
チームとしての強さを全日本につなげられるか
藤田監督は、穏やかな表情でこう語る。
「昨年の出雲はアンカーの篠原で負けて、チームの精神的なショックが大きかった。それを払拭したのがこの記録会での谷中の走りでした。負けても『やれるよな、俺たち』という雰囲気になったんです。その谷中を始め、円(健介)や山川も(以前)ここで好走して全日本を走った。
今回、海晴が気迫あふれる走りをしてくれた。欲を言えば、最後までトップで行ってほしかったですが、駅伝で負けて、走れなかった選手が結果を出す。これが駒澤の強さだと思いますし、この結果は全日本につながると思います」
桑田の状況は深刻だが、ポジティブな収穫も見えた。転んでもただでは起きない駒澤大。全日本では、果たして、どのように巻き返していくだろうか——。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

