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「頭に体がついてこない」出雲駅伝5位…駒大“エース候補”号泣の大誤算はなぜ? 監督も困惑「あの展開でダメなら、どういう状況なら走れるのか」

posted2025/10/16 11:01

 
「頭に体がついてこない」出雲駅伝5位…駒大“エース候補”号泣の大誤算はなぜ? 監督も困惑「あの展開でダメなら、どういう状況なら走れるのか」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

出雲駅伝で3区に起用されたが9位と力を出しきれなかった桑田駿介は、何度も涙をぬぐった

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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駅伝シーズンがはじまり、3大駅伝の初戦出雲駅伝が行われた。駒澤大は5位という不本意な結果に。実力を発揮できなかった“次代のエース”に何が起きていたのか?〈全2回の1回目/つづきを読む

 細い背中を丸めて、床に座り、桑田駿介(駒澤大・2年)は何度も涙をぬぐった。

「いや、もうすべて自分の責任で……」

 言葉が続かない。

キーマン指名に応えられなかった次代のエース

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 単純なブレーキということだけで片付けられない深刻さが、その表情から読み取れた。駒澤大のエース候補にいったい何が起きたのだろうか。

 2025年の出雲駅伝の戦前、桑田は主将の山川拓馬(4年)とともに藤田敦史監督からキーマンに挙げられた。

「桑田はスピードを活かしたいので3区、6区には山川を起用しました。桑田をいい流れに乗せるためには1区が重要になります。1区は混戦になるので、耐え凌げる選手で谷中(晴・2年)を置き、2区の帰山(侑大・4年)で流れを作って桑田につなげていければおもしろい駅伝ができると思います」

 レースは、1区、2区の2人が期待通りの走りを見せ、3区の桑田に襷が渡った時、トップの早稲田大とは5秒差の2位。相手は大物ルーキーの鈴木琉胤だが、力はほぼ互角、競り合いは前半の大きな山場になった。だが、それは4キロ過ぎに終わった。そこから桑田が遅れ始め、ズルズルと後退。気がつけば7位まで順位を下げ、トップの城西大には1分02秒の差をつけられた。

体がついていかないんです……

「最初は問題なかったんですけど、途中からぜんぜん(体が)動かなくなってしまって……。理由は正直、よく分からない。今年はトラックでも後半、思ったよりも動かせなくて。頭ではいかないといけないと思うんですけど、体がついていかないんです……」

 桑田がそう語る後半失速のパターンだが、実は今回に限ったことではなかった。

【次ページ】 競った状態で走れなくなるわけは

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