韓国を5－0粉砕ブラジル相手こそ「“攻められ方”の問題かと」久保建英が語った“鎌田大地パレス的”カウンターができるか…予想スタメンは？ 

　パレスは守備時に5－4－1のような形で構えるが、1トップのマテタが相手の左センターバックのファン・ダイクを警戒している状況で、右センターバックのコナテがボールを持っている状況だった。

　そこで左サイドMFであるピノがコナテにプレッシャーをかけにいく素振りを見せたが、鎌田がそれを制した。代わりに鎌田がプレスに出ていき、コナテからボールを奪うと、パレスのカウンターが発動。中央から右サイドへ展開してクロスが入り、最後はピノがフリーでシュートを放った。これはリバプールの守備神アリソンに阻まれたが、サッカーの教科書に載せても良いようなカウンターのシーンだった。

鎌田も長谷部も語った「代表は代表」の意味

　あの場面について、鎌田に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

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「相手の立ち位置によって、誰がどこに（プレスに）行くかは決まっている。別に、自分が考えてプレスに行っているのではなくて、（監督から）言われたことをそのままやっていて。パレスは守備の仕組みがしっかりしていて、守備でボールを取った後の狙いというのを、2年間くらい言われてきているので。それをみんなが理解力高くできている感じです」

　リバプールは4-2-3-1で攻撃を仕掛けるため、フォーメーション上のミスマッチがあった。さらに鎌田から「待った」をかけられたピノの背後には、サラーが構えていたし、ボールをサイドで奪うよりも中央で奪ってからカウンターを仕掛けた方が相手の脅威になる。いくつものパターンが想定された上で守備での原則があり、それを鎌田が実行した先に、強力なカウンターが生まれたというわけだ。

　ただし、鎌田はパレスの守備戦術を代表に強引に導入したいとは考えていない。

©Kiichi Matsumoto

「守備の守り方は、いろんなやり方があると思うし。代表は代表なので」

　そんな何気ない一言にも、前編で記した長谷部誠アシスタントコーチからのメッセージの効果が感じ取れる。

「代表には代表でのやり方がある。限られた時間の中で、できることがある。だから（選手たちの気持ちは）わかるけど、代表のやり方、時間が限られた中でやれるのはこれだから」

ブラジル戦はコーチ陣の提示に選手がどう応えるか

　スポーツ界におけるコーチと選手の関係で、コーチの提示したアイデアを選手が前向きに実行するには2つのパターンがある。1つが「どんな内容を言うか」である。魅力的なプランや説得力のある戦術が提示されれば、前向きに取り組みたくなるのがアスリートという生き物だ。

　そして、もう1つが「誰が言うか」である。

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