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獅子の遺伝子BACK NUMBER
西武・平良海馬「“ナイスボール”って、何をもってナイスボールなんだ?」疑問から始まったセーブ王への道…今井達也も驚嘆する“鋭い感性”
posted2025/10/11 11:02
最多セーブ賞を初受賞した平良海馬
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
JIJI PRESS
10月5日、パ・リーグの全日程が終了し、埼玉西武ライオンズの平良海馬が最多セーブ投手のタイトルに輝いた。終盤までソフトバンクホークスの杉山一樹と争い、最終的には31セーブのタイで両名が受賞。2020年に最優秀新人、22年には最優秀中継ぎ投手に輝いた平良にとっては3度目の個人賞獲得となった。進化を続ける25歳に、その歩みを聞いた。〈インタビュー全2回の前編/後編を読む〉
今シーズンも安定感は抜群だった。160kmの速球と多彩な変化球を武器に、相手をねじ伏せる姿は圧巻だった。
ただし、平良は“剛腕”と形容される投球スタイルからは想像できないくらい、繊細な分析力と、鋭い感性を持つ投手である。
今井が絶賛した平良の“再現力”
先発の柱としてチームを牽引した今井達也がシーズン中、こんなことを語っていた。
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「平良は僕が投げているスライダーを習得しようとして、練習して、すぐに試合で投げられるようになっていました。逆に僕も平良のスライダーを投げたいと思って取り組んではみたのですが、ダメで断念しましたからね」
柔軟さを兼ね備えている平良をそんな言葉で讃えた。
- 平良が今井のような縦に変化するスライダーの習得に取り組み始めたのは、一昨年のことだという。昨シーズンから試合でも多投するようになった。
平良が振り返る。
「最初は対左打者で空振りを増やすにはどうしたらいいかという発想でした。もともとストレートとスプリットを中心に投げていたんですが、スライダーもあった方がもっと空振りを取れるんじゃないかなと思って。スライダーで左打者から空振りを取っている投手は誰かと考えたら、真っ先に今井さんのことが思い浮かびました」

