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「ロウキは必ず戻ってくる」佐々木朗希を信じ続けたコーチの“ある予言”「筋力もついたが…」ドジャース関係者が証言、復活のウラに“重要な変化” 

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斎藤庸裕

斎藤庸裕Nobuhiro Saito

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posted2025/10/08 17:01

「ロウキは必ず戻ってくる」佐々木朗希を信じ続けたコーチの“ある予言”「筋力もついたが…」ドジャース関係者が証言、復活のウラに“重要な変化”<Number Web> photograph by Getty Images

フィリーズとの2戦ではクローザーとしてチームを救った佐々木朗希(23歳)

佐々木を信じ続けていた“あるドジャースコーチ”

 右肩のインピンジメント症候群で5月中旬に離脱。リハビリを続けていた頃、背中を押されるメッセージをもらった。

「シーズン終盤、そしてポストシーズンで君の力が必要になる。だから、この調子で頑張ろう」

 フィジカル面で体幹や全身の強化でサポートを受けてきたストレングス&コンディショニング担当のトラビス・スミスコーチから伝えられた言葉だ。7月初めの段階で「彼はシーズン中に必ず戻ってくる」と信じていた同コーチは、佐々木の復活を喜んだ。

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「もちろん筋力もついたが、しっかりしたルーティンを築けたことが、彼本来の姿、自分らしさを取り戻す大きな要因になった。我々としても、それが目的だった。結果になって表れて、僕もワクワクするし、うれしいね」

 実戦復帰した8月中旬の時点では、周囲の見方は厳しかった。特にロバーツ監督は「彼の今後はまだ分からない。先発陣はみんないい投球をしている。ロウキは圧倒的な結果を出さないといけない」と繰り返し口にしていた。その中で、信じ続けていたスミスコーチの励ましの言葉は、佐々木にとって精神的なサポートにもなっただろう。

コーチが感じた佐々木の“競争心”

 メジャーデビュー戦となった3月19日、東京での開幕シリーズ前に、同コーチは覚えた日本語を披露していた。「オハヨウ」「オツカレチャーン」「ナメンナ」。日本語は大谷翔平投手(31)や山本由伸投手(27)から学ぶことが多いようだが、「ナメンナ」は佐々木から教えてもらったという。昨年、大谷と山本がドジャースに移籍してから、日本人選手と良好な関係を築き、なじみやすいように環境を整えている同コーチ。球団スタッフの1人は「よく周りを見てくれている」と語る。佐々木との間でも、緩衝材のような役割を果たしていた。

 もっとも、スミスコーチは以前から佐々木の内なる競争心を感じていたようだ。「『絶対に戻りたい』という気持ちは伝わってきていた。それは疑いようがなかった」。強い希望が通じたのか、シーズン最後の5試合でメジャー復帰し、今やポストシーズンを勝ち抜くために欠かせない存在となった。

【次ページ】 佐々木が語った“手応え”の中身

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