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「マリーゴールドにはチャンスがある」ビクトリア弓月20歳が“女子プロレス界の期待の星”になるまで「努力型の天才。お肌ピカピカ」岩谷麻優も太鼓判
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/10/07 17:01
マリーゴールドで活躍するビクトリア弓月(20歳)。女子プロレス界のホープとして大きな注目を集めている
注目を集めた岩谷麻優とのベストバウト
弓月はマリーゴールドに来て「ビクトリア弓月」というリングネームになった。
「ビクトリア? 最初は反対派でした。小川さんには『使っていくうちに慣れていくから』と言われて。今は馴染んできちゃって『それが私』って感じになりました。ファンの人にはたまに『ビッキー、ビッキー』って呼ばれますね。ビッキーよりビクトリアの方が、格調があっていいですよね。勝利の女神」
昨年5月のマリーゴールドの旗揚げ戦では小川から大事なオープニングマッチを任され、高橋奈七永とぶつかった。今年の1月には翔月なつみからスーパーフライ級王座を奪取。そのベルトはマリーゴールドに移ってきた岩谷に取られたが、弓月への評価はうなぎのぼりだ。
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「小川さんもファンの人たちも期待してくれているのかな。注目されるカードが組まれる。ありがたい。それをプレッシャーとかじゃなくて、いい意味で、プラスにとらえています。自信になっている。私はまだまだ伸びしろがある。強敵がいっぱいいるから、いつか越さなきゃいけない」
9月の岩谷との戦いはリーグのベストバウトに選ばれた。「二人の岩谷が戦っているようだ」という評価もあった。
「麻優さんが使っているから技を“寄せている”わけではないです。言い訳に聞こえるかもしれませんが、いろいろ見たうえで、やりたかった技が似ていただけ。これいいな、これいいな、って。麻優さんもやるけど、そこはあまり気にせず。スーパーキックにしてもそうですが、打撃技が結構似ている。違う所もありますよ。麻優さんはジャーマン、私はバックドロップ」
岩谷への憧れは変わっていないという。
「麻優さんって、誰が見てもすごいじゃないですか。最初から『これがアイコンか、すごい人だな』と思っていた。その麻優さんの見方は今も変わっていない。前は対戦することはなかったけれど、こっちに来てタッグも含めて対戦が増えた。天と地くらいの差があります。ただ、麻優さんがこっちにいない間に、自分がマリーゴールドで成長したんだな、と実感できた。それも含めてマリーゴールドに来て本当によかったな、と思っちゃいますね」
UN王座をかけた桜井麻衣との次の試合にも触れた。
「スーパーフライ級王座を諦めているわけじゃない。旗揚げからずっとこの団体のエースになっていきたい、と言っているから。エースかつタイトルのグランドスラムを狙っているから。本当はGPで優勝して行きたかったけど、あのお客さんの反応を見て、今、行くしかないと思って。『UNに挑戦したいんですけれど、みなさん、どう思いますか』って言ったら、ワーってなって。自分に期待してくれているんだなと感じました」





