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「マリーゴールドにはチャンスがある」ビクトリア弓月20歳が“女子プロレス界の期待の星”になるまで「努力型の天才。お肌ピカピカ」岩谷麻優も太鼓判

posted2025/10/07 17:01

 
「マリーゴールドにはチャンスがある」ビクトリア弓月20歳が“女子プロレス界の期待の星”になるまで「努力型の天才。お肌ピカピカ」岩谷麻優も太鼓判<Number Web> photograph by Essei Hara

マリーゴールドで活躍するビクトリア弓月(20歳)。女子プロレス界のホープとして大きな注目を集めている

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 マリーゴールドのビクトリア弓月は20歳だ。まだ、プロレスラーとしてのキャリアは2年に満たない。この夏に行われた『DREAM STAR GP』では、開幕戦で昨年の優勝者でワールド王者の林下詩美にフォール勝ち。リーグ最終戦では岩谷麻優と引き分け、岩谷の優勝戦進出を阻んだ。優勝戦で弓月は青野未来と好勝負を展開したが、惜しくも優勝を逃した。

 それでも、弓月は桜井麻衣の持つユナイテッド・ナショナル王座(UN)を狙いに行く姿勢を見せ、10月26日の両国国技館大会での挑戦が決まっている。

「あれでバカになったのかなあ(笑)」幼少期の“事件”

 弓月は18歳でプロレスの世界に身を投じた。2023年11月17日に大阪のアゼリア大正ホールで行われたスターダムの『NEW BLOOD』大会での渡辺桃戦でデビュー。2024年1月には、スターダムの新人王決定トーナメントで優勝した。だが、デビューからわずか4カ月でスターダムを退団。ロッシー小川が設立したマリーゴールドに移籍した。この新人の決断は周りを驚かせた。

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 弓月は自分の性格を「天真爛漫」だと表現するが、子供の頃のエピソードは「お転婆な女の子」だったことを強く感じさせた。

「子供の頃から体を動かすのが好きで、どこでもズカズカ入っていくタイプ。木登りが得意で、スルスルと木に登ることができました」

 保育園に通っていたころ、園庭に高い樹木があって、その木に弓月はよく登っていたという。ある日、男の子に「実を取ろうよ」と言われて木に登った。

「でも、実を取った瞬間に転落してしまったんです。転落した場所は園庭の外で、隣の介護施設の敷地だった。まったく記憶はないんですが、救急車で病院に運ばれた。頭も縫って、結構長く入院したんです。大惨事でした」

「あれで頭打ったからバカになったのかなあ」と弓月は笑った。それから保育園の遊具にも制限がかかり、使わせてもらえなくなったという。

「雪山にスキーに行った時には一人だけ自転車のヘルメットをかぶせられて、みんなが横で滑っているのに、私はペタペタと先生とかまくらを作っていました(笑)」

 弓月はいつプロレスと出会ったのだろう。

「両親がもともとプロレス好きでした。小6か中1の頃からプロレスを見始めた。最初の頃はドラゴンゲート、そしてWWE。リコシェとか。女子プロレスのスターダムに出会ったのは高2の時です。最初は見るものとして。やりたいと思うようになるのはそれから1年経って、進路を決める時でした」

 なぜ、プロレスを進路として選んだのか。

「子供が好きなんです。母が助産師していたのもあって、保育士じゃなくて医療系で関われないかなと、助産師を考えた。そこへの過程で看護を目指そうとしていて、校内選考の時期が来たら1カ月くらい学校で準備をするはずだった。それなのにコロナにかかっちゃって、学校に行けなくて、何もできなかった。自分だけすごく遅れてしまって、看護学校という選択肢を捨てました。それなら、好きなことをやりたいと思った。よく考えたら、意味わからないですよね(笑)。でも、それがきっかけでプロレスに行ったんです」

【次ページ】 進路は“スターダム一本”「落ちたら終わりでした」

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