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「マリーゴールドにはチャンスがある」ビクトリア弓月20歳が“女子プロレス界の期待の星”になるまで「努力型の天才。お肌ピカピカ」岩谷麻優も太鼓判
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/10/07 17:01
マリーゴールドで活躍するビクトリア弓月(20歳)。女子プロレス界のホープとして大きな注目を集めている
進路は“スターダム一本”「落ちたら終わりでした」
弓月の格闘技の下地は柔道で培われた。
「柔道は父がやっていたので小4から高校まで9年間やりました。最初は水泳を習っていたんですが、格闘技をやった方がいいんじゃないか、と。通っていた道場はオリンピック選手を輩出するような所だった。中学での部活はハンドボール。柔道の道場には週3回通っていました。頭よくないんで、受験どうしようと思っていた時に声をかけてもらって、高校に柔道の特待で拾ってもらった感じ。私は強くなかったです。柔道の成績は市では勝ちましたけど、県大会レベルとかじゃなかったから。なぜ特待で入れたんだろう? たまたま試合を見に来てくれていたのかもしれませんね。それで行くしかない、と。ある意味、持ってましたね(笑)」
弓月は女子プロレス、スターダムの存在を知った時の印象を話した。
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「すごいな、こういう世界があるんだ、キラキラ輝いてる、って。ただ、その時はやろうなんて思っていなかった。自分が女子プロレスをやろうとしたきっかけは(岩谷)麻優さんです。スターダムの新人募集のオーディション書類審査が2022年の春にあって、夏休みの後、スターダムの道場で体力テストを受けた。看護の方はもう捨てていたので、落ちたら終わりでした」
テストをパスした弓月は2023年の春にスターダムに入る。
「もしダメだったら? スターダムしか考えていなかったから、次の職業を考えるか、頑張ってツテを頼って学校に入れてもらうとか……。勉強、大嫌い。何もできない。体育しか頑張れない。授業で机に向かっているのがダメ。先生に見つからないように、教科書を立てて『やってます』みたいな感じでわからないように寝る(笑)。中学でも勉強しませんでしたね。中間テストがあっても『どうせ点取れないから』と開き直っちゃって、まあいいか、みたいな感じ。親にも『バカじゃん』って言われました。だから手に職を持つようになってほしかったんでしょうね。父はそっちのタイプ。でも、うまくいきましたよ!」
そう言って、弓月はニコッと笑った。
「たまにズル休みもしました。ただ家にいてケータイ触ってるか、ふらっと出歩くか。みんな学校行ってるし、中学はケータイ持っていけないから。今はちょっと真面目になりましたよ。地元は名古屋のちょっと田舎なんです。何もない。ご飯はおいしいですけど。みんなショッピングモールに集まっちゃうんですよ」
地元にいたころは家族と一緒に行く外食が楽しみだったという。
「家族でいろいろ行きました。回転寿司、焼肉、イタリアン。私はイタリアンが好きです。真っ先にイタリアンって言います。でも、みんな好みが全然違う。私は生もの、お寿司食べられないので、寿司屋の時はうどん食べてました。うどん大好き。麺は固いのが好きです。コシのあるやつ。ラーメンはバリカタ。きしめんはあまり食べない。名古屋ですけど、“ご当地グルメ”は家ではあまり食べないです。『矢場とん』も外食では行かないですね。味噌ダレはやりますが、私はソース。味噌は給食でも出ますよ。あっ、でも『コメダ(珈琲店)』はめちゃめちゃ行きます。午前中も、午後も、夜も、どの時間帯も行きます」


