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〈マンガ〉「藤井聡太・王位6連覇は羽生善治に並ぶ偉業」「東大と京大一家のインテリ棋士が…」観る将が騒然…将棋界は秋もアツい
posted2025/10/03 06:00
9月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!
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千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida/日本将棋連盟
9月の将棋界は、若き藤井聡太七冠の快進撃と、女流棋界の熱戦、そして新四段の誕生と節目を迎えたベテラン棋士の活躍が交錯し、にぎやかな話題に包まれました。棋士本人の声やSNSでの反応も交えつつ、イラストで月間のトピックスを振り返ります。
〈1〉藤井聡太王位、王位戦6連覇達成
またも藤井聡太七冠が歴史を塗り替えました。第66期王位戦七番勝負で挑戦者の永瀬拓矢九段を退け、6期連続の王位戴冠を果たしました。
じつは藤井七冠、これは大偉業なんです。
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それはなにかというと、羽生善治九段以来となる「王位戦6連覇」というものなんです。SNS上では「安定感が異次元」「藤井時代を実感」といった声があふれていました。
特筆すべきは、その対局の姿勢です。NumberWebに掲載された大川慎太郎記者の取材によると、藤井王位は“勝負どころで読み切って踏み込む力”は相変わらずで、永瀬九段の粘りを突き破る終盤力を発揮しました。永瀬九段は「藤井将棋に挑む過程で得るものがある」とコメント。敗れながらも強くなろうという意志の強さは、相変わらずさすが……。
また、9月には王座戦五番勝負がシンガポールで幕を開けました。近年だと棋聖戦でも実施されましたが、海外でのタイトル戦は将棋界にとっても新鮮な空気が吹いています。
現在、藤井王座が1勝、伊藤叡王が2勝と。こちらは文春オンラインに掲載された、勝又清和七段による第2局の観戦記事は、藤井七冠が「わずか2手で135分」を使った後に、立会人の谷川浩司十七世名人、新聞解説の村山慈明八段らがいた控室が「ええっ」とどよめいたものの、伊藤叡王が「AIに指せない一手」で勝ちを手繰り寄せたという、衝撃的な内容でした。
同学年のタイトルホルダー2人が繰り広げる真剣勝負は、まさに新時代の将棋を象徴しているのだ……1ミリレベルも分からない超高度な内容に、畏敬の念を持つばかりです。
〈2〉女流棋戦「秋の陣」
9月のもう一つの注目は、女流棋士タイトル戦の活況です。秋は「女流タイトルラッシュ」と呼ばれるほど対局が続き、妻氏は「女流棋戦の秋」と名付けています(笑)。

