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柵木幹太「『女性だからではない』。“敵役”が全力を出したワケ」

posted2025/10/11 09:00

 
柵木幹太「『女性だからではない』。“敵役”が全力を出したワケ」<Number Web> photograph by Asahi Shimbun

text by

大川慎太郎

大川慎太郎Shintaro Okawa

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photograph by

Asahi Shimbun

 ここ3年ほどで棋士になった者の顔を思い浮かべてほしい。逸材ばかりだが、最初に思いつくのは誰だろう。もしかしたら、2023年4月にプロ入りした柵木幹太四段(27)ではないか。

 なぜか。柵木は今年1月に西山朋佳女流二冠の棋士編入試験最終局の試験官を務めて勝利し、史上初の女性棋士の誕生を阻止したからである。「史上初の女性棋士」はパワーワードで、世間の大きな注目を集めた。西山を応援する声が圧倒的で、柵木は敵役だった。

 その対局で最も印象に残ったのは、柵木の対局姿だ。ネクタイを外し、体を前後に揺らす。眉間にしわを寄せて、西山が席を立つと呻き声を漏らした。あまりの必死な姿に「どちらが試験官かわからない」という声が上がっていたほどだ。

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