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「CS不要論」を一蹴した藤川球児監督の提言を考える。
posted2025/10/01 09:00
藤川球児監督は就任1年目。優勝時点で2位とは17ゲームの大差がついていた
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
「これは誰も心から喜べない結末だ」――セ・リーグに初めてクライマックスシリーズ(CS)が導入された2007年。当時、日本代表監督を務めていた星野仙一さんが厳しい表情でこう漏らした。
この年、巨人は原辰徳監督の下でリーグ優勝を果たした。しかしポストシーズンでは第1ステージで3位・阪神に連勝した落合博満監督率いる中日が、アドバンテージなしの5戦制で行われた第2ステージ(現在のファイナルステージ)でも原巨人を圧倒。何と3連勝のスイープで日本シリーズへ駒を進め、その勢いのまま日本一まで駆け上がった。
残ったのは「誰も心から喜べない結末」だった。5年ぶりにリーグ制覇した巨人は、日本シリーズに出場できず喜びは消え去った。中日と対戦したパ・リーグの覇者・日本ハムもシリーズで敗れて素直に喜べない。日本一の座を得た中日も、ペナントレースでは巨人に及ばなかった事実を背負っている。だから星野さんは苦虫を噛み潰したような表情で、制度の歪みにため息をついたのである。
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