世界陸上“豪雨の走高跳決勝”28歳金メダリストが競技中に記したノートの中身は？ “眠れる美女”は銅メダルでも…「ブランケットがあったので大丈夫」 

――ノートに書いてあることで、特に印象に残っていることは何ですか？

「（ダイヤモンドリーグが開催された）スイスでの最後の走高跳のセッションで学んだことです。東京に来る前に、ある技術的な突破口がありました。一般の人には意味が分からないでしょうが『体を傾ける』姿勢について、です。今日も2m00の跳躍ではまさにその通りにやって、成功しました。だから、将来のためにそれをノートに書き留めています」

――成功した時、ノートには何と書いたのですか？

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「ただ、棒人間と方向（矢印）を描いただけです（笑）」

オリスラガースの気になるノートの中身は…？　©Getty Images

豪雨のコンディションでも「普段と同じ」

「今回のようなコンディションで跳ぶのは難しいですか？」という質問も出たが、オリスラガースの返答はある意味で逆説的で、英語力に乏しい自分は最初混乱してしまった。でも音声を聞き直すととても示唆的な言葉だった。

「太陽が照りつける中で学んだ教訓は、雨が降っても変えてはいけないんです。ライバルたちは余計な力を加えようとしていましたが、私はそうしないことを学んでいました。残念ながら、2m02の時に私も力んでしまいましたが（笑）。

　だから、将来また試合中に雨が降った時に何も変えずに普段と同じことを続けられるということを証明してみせます。世界室内、ダイヤモンドリーグ、そして東京での世界陸上。今年は本当に良い年でした。忘れられない一年です」

　ちょっと哲学的なハイジャンパーの言葉を聞いた世界中のメディアが、どこか幸せそうな表情になり、「コングラチュレーション！」と声をかけて取材は終わった。

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