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スポーツ百珍BACK NUMBER
「国立かTBSか…」世界陸上“どっち観戦が正解”だった? 記者が痛感した地上波中継のありがたみ「競技後“ビールがぶ飲み選手”と対面」
text by

茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/27 17:05
村竹ラシッドらの激走によって、連日盛況だった東京世界陸上2025。会場の国立競技場で見たビックリ光景とは
そう考えるとテロップなどで各種記録を丁寧に表示してくれるTBSは、陸上をわかりやすく楽しめるための一工夫をしてくれているんだなと、中継の質の高さにあらためて感銘を受けた。
走り終わった選手がビール飲んでるんですけど
トラックとフィールドでは、競技は着々と進む。今大会で一躍その名を上げた村竹ラシッドや中島佑気ジョセフがそれぞれ110mハードルと400mで決勝進出を決め、国立は大いに沸いた。女子1500m決勝までちょっと時間があるので、関連グッズでもないかと会場内を歩いてみることにした。
驚いたのは、競技関係者がそこらじゅうで歩いて談笑していること。アメリカにジャマイカ、フィンランド、ドミニカ、カメルーンなどなど……競技用のスパイクなどが入っているのかリュックを背負っていたり。スマホで通話しているコーチなのかスタッフなのか、他の競技観戦ではあまり見られない光景だなあ、と思っていると、その100倍ビックリする光景を目の当たりにした。
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ゼッケン付けているアスリートが、ビール買ってグビグビ飲んでるんですけど。
前日には〈国立の近所にあるホープ軒に並んでるアスリートがいた〉というSNS投稿が話題になったが……競技前であろうと後であろうと、脂こってり豚骨ラーメンを摂取しているという事実に戦慄したのに、競技上がりに一杯やっちゃうとは。コンディショニング、大丈夫なんだろうか。
いろいろと頭が追いついていかないが、ゼッケンを見ると「MICALLEF」の文字が。世界陸上のアプリに照らし合わせても、陸上選手コスプレでもなんでもなく800m予選に出ていた選手であることを確認した。
ただここで直接話を聞くと“取材”の体裁になっちゃうから話聞くのもな……と思っていたら、観戦に訪れていたMICALLEFの知人らしき人が談笑していた。
まあ、いいんじゃない? 競技終わったし
あ、この人なら大丈夫か。ということで、ブロークンな英語とグーグル翻訳を頼りに、ちょっと話を聞いてみた。
――こんばんは。あなたはMICALLEFの友人ですか。
「イエス。トウキョウ観光もする予定です。シブヤとシンジュクはここ(国立)から近いですね」
――日本の気候はどうですか。
「とてもとても蒸し暑い……。彼はもちろん、選手全員よくこの環境の中であんなに速く走っているなと思います」
――日本人でも最近の夏の暑さはタフです。
「そうなんですか? 日本も異常気象なんですね」
――あなたの知人である選手が競技後にビールを飲んでいる姿に、僕はビックリしています。

