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スポーツ百珍BACK NUMBER
「国立かTBSか…」世界陸上“どっち観戦が正解”だった? 記者が痛感した地上波中継のありがたみ「競技後“ビールがぶ飲み選手”と対面」
posted2025/09/27 17:05
村竹ラシッドらの激走によって、連日盛況だった東京世界陸上2025。会場の国立競技場で見たビックリ光景とは
text by

茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Kiichi Matsumoto
”ズブの素人”が国立で世界陸上観戦してみると
連日盛況だった東京世界陸上2025。競技の“ズブの素人”である筆者が、観客として会場の国立競技場に足を運んだのは4日目の9月16日。この日行われた競技のタイムスケジュールを記すと、こんな感じだった。
19:35 男子800m予選
19:40 女子三段跳予選
20:36 男子走高跳決勝
20:40 男子110mハードル準決勝
21:01 男子ハンマー投決勝
21:07 女子400m準決勝
21:35 男子400m準決勝
22:05 女子1500m決勝
22:20 男子110mハードル決勝
テレビ中継を見ていても、なんとなく感じてはいた。でも実際に同時進行で競技が行われているのを目の当たりにすると、新鮮な感動を覚える。
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第1コーナー付近では走高跳、バックストレートでは女子三段跳の選手が1cmでも高く、長く跳ぼうと、会場に拍手を求める。第3コーナー付近に目を移せば小型車2台がテコテコ走っていて、110mハードル準決勝用のハードルを運搬する。そしてホームストレートに多くのスタッフが出てきて、1台ずつハードルを等間隔で並べていく。そして800m走では、臨場感あふれる映像で話題になった一輪車カメラマンの姿も確認した。
競技と各種目の準備が同時進行で進められるのは、陸上競技ならではなのだろう。何より日本人選手が競技を行う瞬間には、割れんばかりの拍手が起きた。
現地で気づいた…TBSの中継って、とても工夫してる?
その中で、競技場内に表示される情報量が意外と少ないことにも気づいた。
国立の電光掲示板に表示されるのは、選手名と国籍、着順にタイム・距離に「SB/PB」などベスト記録を示すマークなどシンプルなもの。もちろん日本語でも〈○○選手は今季の世界最高記録をマークしています~〉と注目選手に関するアナウンスがある。
ただこれが野球だったら、マウンドに立つ投手の勝敗数・防御率や球速・投球数、打者なら「打率.284 39本塁打92打点」といった感じで、電光掲示板に今季成績が表示される。
〈あーさすがエースだなー〉〈あれ、このバッター不調なの?〉
こんな風に大まかな調子を把握できるが……陸上でそれを知るにはどうすればいいのかと、最初は戸惑った。あ、そういえば会場のサイネージで〈ぜひダウンロードしてくださいね〉と公式アプリをスマホ内に入れることを推奨していた。実際これを入れてみると、各選手の「自己ベスト/今季ベスト」などが表示されて、ああこの選手が実力者なのかと把握できる。

