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「今までは楽しく走ってきた身なので…」大学マラソンサークル出身→わずか2年で世界陸上7位に…24歳・小林香菜の“衝撃シンデレラストーリー”
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph byNanae Suzuki
posted2025/09/25 11:12
マラソンサークル所属だった大学卒業からわずか2年で世界の7位にまで駆け上がった小林香菜。シンデレラストーリーはどこまで続くのか
「このタイミングでMGCの権利を得られたのは、ゆっくり準備できるのでとてもありがたいです。そこに向かって集中していきたい気持ちはより強くなりました。今回日本人トップで走れたことで、ロサンゼルスオリンピックも絶対走りたいと強く思うようになりました」
今回の世界選手権の日本代表になったことは、正直、自分でも驚きのほうが大きかった。事の大きさを受け止めきれず、しばらくは信じられなかったほどだ。
それもそのはず。競技を続けるために就職活動をしていた時に、面接では「世界の舞台で走りたい」と口にしていたが、心のうちでは「それはなかなか厳しいよな……」と思う自分もいた。
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ところが、社会人1年目の終わりに日本代表の権利を勝ち取ると、2年目にしてその舞台で入賞して見せた。
「ロス五輪に向けて準備していきたい」
ここまでは小林が思い描いていた未来図のはるか上をいく成果を挙げてきた。
しかし、ここからは自分の身に起こることに、驚いているわけにはいかない。今度はしっかりと照準を定めて日本代表を狙いにいく。
「こういう世界の舞台を経験できたことは、かなり大きな強みになると思うので、これを無駄にしないように、しっかりとロサンゼルスオリンピックに向けて準備していきたいです」
きっぱりとこう言い切れることが、アスリートとしての小林の成長の証。小林のシンデレラストーリーはまだまだ続く。

