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TBSでは報じられない? まさかの衝撃発言も…“世界最速のオタク”ノア・ライルズの爆笑会見ウラ話「アニメには人生より大きなストーリーがある」
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/19 17:48
100mでは銅メダルに終わったアメリカのノア・ライルズ。大本命とされる200mではどんな走りを見せるか
海外メディアから、スタート前の選手紹介でとったポーズについて質問が飛ぶ。
「えーと、アニメだよ。……なんだっけ? ボンクスじゃないし、ノア、わかる?」
横に座るライルズが思わず助け舟を出す。
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「悟空だろ! キシェーンもアニメ好きなんだ」
「そう、悟空のダンスだ」
記者会見場には思わず笑い声が響く。銀メダリストがやや恥ずかしそうにアニメの話をしたのに対し、主役の銅メダリストの言葉はとにかく熱かった。
100m決勝前は…ドラゴンボールの「元気玉」
100m決勝のスタート前、そのライルズは両手を上に突き出していた。トンプソンと同じく「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空の必殺技「元気玉」を準備するポーズで(これはすぐに何のポーズかわかった)、日本人の観客からエネルギーをもらおうとしたのだろう。ゴール後には、もうすっかりお馴染みとなった「かめはめ波」もカメラやファンの前で披露していた。
そして日本人記者が、アニメからインスピレーションを得ていることはあるか、という質問をすると、ライルズが待ってました、とばかりに熱弁をふるい始めたのだ。ここからは”主役”の独壇場だった。
「もちろんだよ。困難や悲しみを乗り越えようとすること、愛、インスピレーションなど、全ての要素がそこにある。アニメはひとつのメディアのかたちなんだ。ストーリーの伝え方のひとつだし、本を選ぶことと変わらないよ。フィクション、ノンフィクション、いろんなジャンルの作品が揃っているし、人生よりも大きなストーリーがある。いい作品を見ているときには『そんな風に考えたことなかったな』と自分の中にインスピレーションがわく瞬間があるんだ」

