「久保は何度もしゃくり上げながら…」世界陸上レース直後、久保凛（17歳）の感情がこみあげた“7分間秘話”…テレビ中継には映らなかった「涙の舞台裏」 

　今後についても言及した。

「後ろにつけてスローペースというのは、自分は全然感じたことのないレースでした。その中でごちゃごちゃとしたり、バランスを崩したり。そこも海外のレースは当たり前だなと思うので、もっと海外の試合にも出て経験を積むことが必要かなと思います」

　久保にとって最初の世界選手権のミックスゾーンは、最初から最後まで涙をこらえながらも、等身大の受け止めや思いをしっかりと言葉に置き換えた場となった。レースのスタートからこの間、わずか25分ほど。この短い時間にさまざまなものが凝縮されていた。

©Kiichi Matsumoto

すべての取材が終わったあと、久保はひとりで…

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　取材対応を終え、久保は最後まで背筋をピンと伸ばしたまま、その場を去って行った。自身の現在地を知って気丈に前を向く姿には希望が溢れていた。

　ふと見ると、ミックスゾーンの最後で小さな椅子に、通路に背を向けて座っている久保がいた。17歳は肩の震えが収まるのを待つように少しの時間をそこで過ごし、再び立ち上がっていった。