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「高校は全国準決勝で敗退」「春には肺炎で不調も」“192cmの大器”が世界陸上400mで過去最高6位入賞…23歳の新星・中島佑気ジョセフ「不屈の履歴書」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/09/19 11:09

「高校は全国準決勝で敗退」「春には肺炎で不調も」“192cmの大器”が世界陸上400mで過去最高6位入賞…23歳の新星・中島佑気ジョセフ「不屈の履歴書」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

男子400mで予選から日本新記録をマークし、日本史上最高となる6位に入った中島佑気ジョセフ。一方で、ここに至るまでの道のりは平坦ではなかった

 今大会、中島は快走を連発した。

 9月14日の予選を44秒44の日本新記録を打ち立てて組2着で通過すると、16日の準決勝は44秒53の好タイムで2着に入って、決勝に駒を進めた。決勝も44秒62の快記録。今回3レース全てで、これまでの自己記録(44秒84)はおろか、従来の日本記録(44秒77)をも上回った。

 それでも、中島の自己記録は、決勝に出場した8人のうち8番目だった。そんな格上の相手に割って入っての6位入賞だった。

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「世界最高の舞台で戦えたこと、しかもこの地元・東京で、皆さんの歓声を背中に走れたというのは本当に大きなことですし、アスリートとしてこれほどの幸せはないというか、充実感を感じながら走ることができたのは良かった」

 決勝のレースを終えた中島は、感慨深そうにこう話した。しかし、中島はこう言葉を続けた。

「……ですけど、それ以上に、もう少し勝負したかったので悔しいです」

 充実感を覚えた一方で、悔しさも残した。

出身はサニブラウンと同じ高校だが…?

 ナイジェリア人の父をもつ中島は東京都出身。高校はサニブラウン・アブデル・ハキームと同じ城西大附属城西高に通い、シドニー五輪日本代表の山村貴彦氏の指導を受けた。

 しかし、高校時代に世界ユース選手権で100m&200mの2冠を果たすなど早くから傑出した存在だったサニブラウンとは対照的に、中島は早くから突出した活躍を見せたわけではなかった。

<次回へつづく>

#2に続く
世界陸上400mで“日本史上最高”の6位入賞…23歳の新星・中島佑気ジョセフって何者? 決勝レース前には「スティーブ・ジョブズの言葉が頭に…」

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