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世界陸上「予選突破」…“史上最高レベル”日本女子100mハードルでベテラン選手が大活躍のワケ 「年を重ねても活躍」の理由はどこにある? 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byKiichi Matsumoto/Nanae Suzuki

posted2025/09/15 17:20

世界陸上「予選突破」…“史上最高レベル”日本女子100mハードルでベテラン選手が大活躍のワケ 「年を重ねても活躍」の理由はどこにある?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/Nanae Suzuki

今回の世界陸上代表を争った(左から)中島ひとみ、寺田明日香、清山ちさと、福部真子。いずれも30代前後のベテランだがここ数年で一気に記録を伸ばした

なぜ100mハードルはベテラン勢が活躍?

 また、一昔前は結婚や出産を機に競技を退く女性アスリートは多かったが、昨今は競技継続の選択をするケースも増えてきた。今回の女子100mハードル代表では、中島と田中佑美(富士通)が同じハードル選手との結婚を発表している。

 この種目に限っていえば、30代になっても、また結婚や出産を経ても競技を続ける選手が増えたのは、今季限りでの現役引退を表明している寺田明日香(ジャパンクリエイト)の影響が大きいだろう。

 寺田は23歳だった2013年に一度は現役を引退。結婚、出産、7人制ラグビーへの転向など紆余曲折を経て、19年に陸上競技の世界に戻ってくると、日本人として初めて12秒台への扉を開いた。そして、30代になっても記録を伸ばし、第一線で活躍している。

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 その寺田の活躍は多くの選手の道標になっている。

 福部が壁にぶち当たった時にも寺田にアドバイスを求め、再び輝きを取り戻したという。ライバル同士が垣根を越えて切磋琢磨できているのも、寺田の貢献度は大きい。

 その場にいなくても、100mハードルの選手たちの言葉の節々から、たびたび寺田の存在を感じることもある。

【次ページ】 世界大会の予選突破で驚かない…史上最高レベルに

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