「（香田監督は）人生でいちばん怖い人」高校野球から“消えた名将”、部員側の証言…「ん？ それ誰に言ってんだ？ 指導者批判か」新天地・大学野球で生徒が反発

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　駒大苫小牧時代の香田はある意味で、勝ち過ぎた。地元の英雄に祭り上げられたことで学校内では孤立し、2008年に駒大苫小牧を去る。そして、駒澤グループと同じく曹洞宗と密接な関係にある鶴見大で4年間、雌伏の時期を過ごした。

2007年、健康上の理由で退任を表明した駒大苫小牧の香田監督　©JIJI PRESS

　香田が選んだ指導者の第2ステージは社会人野球だった。2012年に創部したばかりの西部ガス（福岡市）のコーチに就任し、2017年9月から2023年12月までは同野球部の監督も務めた。

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　西部ガスは2015年に初めて社会人野球の最高峰である都市対抗に出場すると、以降は常連と言っていいまでのチームに成長した。

　香田は監督として4度、都市対抗に出場している。2020年にチームとして都市対抗初勝利を挙げ、ベスト8まで勝ち進んだが、それ以外はすべて初戦で涙を呑んだ。

2012年、西部ガスのベンチで緊張感を漂わせる香田コーチ（当時、写真左）　©JIJI PRESS

　どんなスポーツもそうだがカテゴリーが上位になればなるほど勢いや運の要素は入り込む余地が少なくなり、本来の実力がものを言うものだ。その点で社会人野球は高校野球と明らかに戦い方が違った。香田は言う。

「高校生だと緊張して力を発揮し切れないなんてことはよくあるけど、社会人の世界はいい選手はやっぱりいいんだよね。大会でもきっちり力を出す。そこは違うと思った」

社会人野球の結果は「物足りない」

　西部ガスはこの夏も都市対抗に出場し、2020年以来となる1勝を挙げた。香田はいい形でチームを引き継いだのだとも言える。

　ただ、われわれは駒大苫小牧時代に「2.9連覇」というミラクルを目撃してしまった。そこへいくと、社会人野球時代の成績は物足りないと言わざるをえない。やはり、もっと大きな夢を見せて欲しかった。

　おそらく、それを誰よりも自覚していたのは香田自身だ。

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