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復活の秘訣「ラブブ人形とスマイル」「ウィナーを狙わなくてもいい」で全米4強!? 大坂なおみ“ニュースタイル”で見えた「ママでも四大大会優勝」
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山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2025/09/11 11:02
大坂は決勝戦まで7試合ぶんのラブブを用意していたという。こちらは4回戦の「Althea Glitterson」ちゃん。お披露目できなかった決勝のラブブとは……?
産後復帰してから2年目のシーズンの最後のグランドスラムで、大坂は復帰後初の4回戦に進出すると、第3シードのココ・ガウフ、第11シードのカロリーナ・ムチョバも破ってベスト4まで突き進んだ。
もう一つ結果が出なかった今シーズン
復帰後これまで7回のグランドスラムを戦ってきたが、結果は1回戦負けが2回、2回戦が3回、3回戦が2回と振るわなかった。しかし、それ以外のツアー大会でもベスト8が最高だった昨年に比べれば、今年はスタートから好感触だった。開幕戦のオークランドで準優勝。昨年9月にコーチ契約したパトリック・ムラトグルーは、史上最高の女子選手といわれるセリーナ・ウィリアムズのコーチを長年務めた有名人で、大坂とのハイスペックな連携も今季復活の期待を押し上げていた。
しかしそこから成績は伸びず、ランキング50位前後をさまよったままシーズンは過ぎていく。
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「長い間、いいプレーをしている手応えがあるのに結果が出なくてすごくもどかしかった。多分メンタル的なものだったと思う」
コーチ交代が吉と出る
3回戦で敗れたウィンブルドンのあとは得意の北米ハードコート・シーズンだが、その初戦のワシントンで2回戦敗退。そこでムラトグルーのもとを離れることを決め、代わって前女王のイガ・シフィオンテクのコーチだったポーランド人のトマーシュ・ビクトロフスキをチームに招いた。
大坂いわく「怖い人だと思ったけど、笑顔がフレンドリーで、テディベアみたい」な髭面の44歳は、すぐさま新しい大坂を引き出した。新チーム体制での初戦、グランドスラムに次ぐ格の『WTAツアー1000』のモントリオールで決勝に進出。2週空けて臨んだ2戦目が全米オープンだった。

