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「全国大会の表彰台とスタンフォード大合格」が目標の選手も!?…競泳リレーでインターハイ出場《東大合格150人》開成水泳部に見る「主体性」
posted2025/09/11 11:05
史上初となるメドレーリレーでのインターハイ出場を決めた開成高のスイマーたち。なぜか彼らは制約も多いはずの超進学校で実力を伸ばせたのだろうか?
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph by
Tadashi Hosoda
今夏、同校史上初となるメドレーリレーでのインターハイ出場を決めた開成高校水泳部の4人の選手たち。
開成と言えば、国内最多の東大合格者数を誇るなど、超進学校として名高い一方で、スポーツのイメージはない。では、なぜ彼らはそんな中で全国まで駒を進めることができたのだろうか?
頭脳派らしい、超合理的なトレーニングがあったのか?――と、そんなステレオタイプな予想をしてみたものの、現実は実に泥臭くシンプルなものだった。
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結論から言えば、彼らがここまで成長した最大の要因は練習量と、その継続ということに尽きる。
背泳ぎを務めた第1泳者の1年生・高本亮の日常を例にとってみよう。
「平日は授業が朝8時から14時半か15時まであって、そこからクラブでトレーニングをしています。月曜日がオフで、それ以外は毎日陸トレと水泳とあわせて3時間から3時間半くらいですかね。
休日は朝練と午後練があって、それぞれ2時間半と3時間半くらい。なので、1日6時間くらいは水泳に当てています。土曜日は学校の授業があるんで、大会とかがない限り朝練は出られないんですけど」
もちろん長期休暇の間はこれに合宿なども加わってくる。
塾で練習できない時は「オフ返上で自主練」
他の3人も多少の差こそあれ、概ねこのような練習量をこなしているのだという。それも小学校時代からほぼ毎日――である。
もちろん日々のトレーニングから帰宅後は、予習復習を含めた勉強が待っている。しかも自習派の高本以外の3人は週に2度ほど塾通いもしている。そのため「塾で練習に行けない場合は、その日のメニューをコーチからもらって、オフの日に自分でトレーニングをすることでカバーしています」(第2泳者の中出恵資)というケースもあるそうだ。

