「世界選手権の銅は、自分のなかでは五輪以上」その真意は？ 伊藤美誠が説く“メダルの重み”…「これまでの全大会で一番のゲームができた」 

「前までは、いろんな人の卓球を見て、こういう卓球すごいな、できたらいいなって思っていたんです。早田選手の動画を見ても、相手の台にしっかり入れていく。簡単に見えるけどすごく質が高いんですよ。本当に何のミスもせず、相手のミスを誘うだけみたいな感じで勝っていくんですけど、それってすごいなって思うんです。

　でも私は、ちょっと異質なんです。ただ、変化が武器なので相手からしたらすごくやりづらいと思うんです。戦い方、できることはそれぞれ違うので、自分のやり方を理解して、人のは追わない。今は、自分ができるのはこれだ、っていう意識でプレーできるようになったのは、すごく大きいですね」

ロサンゼルス五輪は……？

　伊藤の言葉からは、潔さが感じられた。そう思えるようになって戦っていくなかで、シングルスで結果が出るようになった。ダブルスでは早田と組み、最強コンビの復活に向けて動き出した。その先に見えているのは、ロサンゼルス五輪なのだろうか。

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「いや、今はまったく（笑）」

　即答だった。

「東京五輪は、シングルスで3位になれましたけど、ワールドカップや世界選手権はいつもベスト8止まりだったんです。これまでワールドカップは各国のスター選手2名しか出場できなかったんですけど、昨年から最大で6名が出られるようになったので、メダルを取るためには日本人選手はもちろん、中国人選手にも絶対に勝たないといけないんです。

　そのワールドカップ（4月マカオ大会）でベスト3に入り、世界選手権（5月）、USスマッシュ（7月）もベスト8を乗り越えて、ベスト3に入ることができました。次は、その先ですね。ベスト3の壁は本当に厚くて、超難しいんですけど、その壁を乗り越えて、その一歩先を行きたい。それが今の私の目標です」

　五輪とは口に出さずとも、目標を達成すればその道が自然と見えてくる。狙うというよりは、目標を達成しようと歩んでいった先に五輪があった。今の伊藤は、きっとそんな感じで3年後を見ているのではないだろうか。

〈つづく〉

#3に続く

「やっぱり3人にしかわからないことがある」伊藤美誠が明かす平野美宇・早田ひなとの絆と〈みまひな〉復活秘話「水谷隼選手より、ひながいい（笑）」

#3

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#2

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#1

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