「ピッチャーをやりたい」不登校球児を変えた元プロ監督…廃部から4年、函館の田舎町から“部員4人”と目指す甲子園「吉田監督は怒鳴ったりしない」 

　小学5年の時、YouTubeで元ソフトバンクの斉藤和巳さんの映像を見て「カッコいいな」と憧れ、密かにピッチャーをやりたいと思っていた。

　吉田に「やりたいポジションあるの？」と聞かれた時、「ピッチャーやりたいです」と打ち明けた。

「じゃあ、頑張ってみようか」

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　高校入学後はほとんど休むことなく学校にも、練習にも通っている。

「中学ではずっと学校を休んでいて、親に甘えていたので、親元を離れることに不安はありましたけど、みんないい人で、今はすごく楽しく寮生活を送れています。まだ他の寮生2人（三上、渡部）に頼ってしまうところもあるけど、来た時よりは自立できているのかなと」

　部員3人と共に寮で生活している吉田は、上出の変化を日々実感している。

「『ピッチャーをやるって自分で言ったんだから、一番厳しく接するよ』というのは宣言しています。その中で毎日頑張って、体も変わってきた。見ていて感動しますよ」

　吉田監督はどんな監督？と上出に聞いた。

「今まで自分が会ってきた人たちは、怒鳴ったりするような人が多くて。でも吉田監督は、怒られることはあるけど、怒鳴ったりはしないし、技術的なことをたくさん教えてくれて、自分の成長にすごくプラスになることがたくさんあります」

　吉田は高校生の目線にスッと下がって距離を縮めることができる。だから選手は自然体でいられるようだ。

　ゼロからスタートした寄せ集めの野球部。そんな彼らの初陣は……0-19、6回コールド負け。野球は甘くなかった。〈第4回に続く〉

#4に続く

「0-19で初戦敗退…これが現在地なんだよ」大阪桐蔭・西谷監督が認めた“北のイチロー”は部員4人の野球部を救うのか？ 元オリックス吉田雄人30歳の挑戦

#4

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#3

「ピッチャーをやりたい」不登校球児を変えた元プロ監督…廃部から4年、函館の田舎町から“部員4人”と目指す甲子園「吉田監督は怒鳴ったりしない」

#2

「社会なめてました」23歳で戦力外通告…元オリックス吉田雄人が語る、野球界を離れて痛感した金銭感覚のズレ「報ステの映像制作→今は部員4人の野球部監督」

#1

23歳で戦力外通告…“北のイチロー”と期待された元オリックス吉田雄人30歳のいま「函館の田舎町で“部員4人”の野球部監督に」