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<単独インタビュー>大谷翔平が明かす「リハビリ登板を決めた理由」二刀流だからこそ…「僕の性格上、実戦で投げたほうがスピードが上がるタイプ」
posted2025/08/13 11:07
Number最新号で単独インタビューに応じた大谷翔平。前編では投手として「リハビリ実戦登板」を決めた理由について明かした
text by

石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Nanae Suzuki
発売中のNumber1125号に掲載の[単独インタビュー]大谷翔平「僕が打てないボールを投げる」より内容を一部抜粋してお届けします。<全2回の前編/後編へ>
実戦でのリハビリ登板を決めた理由
――オールスターの約1カ月前、6月16日にはピッチャーへの実戦復帰を果たしました。その後、オールスターを挟んで徐々にイニング数を延ばしてきていますが、リハビリを目的とした登板をメジャーの公式戦で行うのは異例のことです。二刀流だからこその決断だったと思いますが、実戦でのリハビリ登板をしようと決めた経緯、理由はどこにあったんですか。
「そこは(編成本部長のアンドリュー・)フリードマンと話をしました。最初の予定ではオールスター明けに4イニングから5イニングで実戦に入れるような準備をしようと考えていました。そのためにはゲーム前のライブBPで3イニング、4イニングと段階的にイニングを増やしながら、球数で言うなら50~60球のボリュームを投げていかなければなりません。それを午前中にやって、その夜にはバッターとして試合に出るとなると、これはもうダブルヘッダーをやっているような感じになります。そんなボリュームのスケジュールでリハビリを進めていけば、疲労も溜まるし、ケガのリスクも高くなってしまう。だったら、というところで考えたのが実戦でのリハビリでした。僕が二刀流というか、ツーウェイの登録に入っているので、僕が試合で1イニングでも2イニングでも投げられるなら投げたほうが、実質的にブルペンの負担を和らげることになります。そういう中継ぎをかなりいっぱい使っているというチーム状況と、あとは僕の(ツーウェイ登録という)ポジションを考えたら、試合で投げれば余計な疲労も減らせるし、僕のリハビリをお互い“Win-Win”のプロセスにできるんじゃないかと思いました」
――公式戦の中でリハビリをするためにライブBPの時間を設定しようとすると、どうしても両チームの練習前、かなり早い時間からの設定にならざるを得ないんですね。
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「しかも僕の場合、ライブBPで4イニングを投げたとしても強度が上がってこないんじゃないかなという不安があったんです。一球一球の強度というのは、ファンの人たちが見ている実戦の中で、実際にバッターに投げたほうが自然に上がってきます。結果的にはそのほうがスムーズに実戦へ入っていけるんじゃないかということもありました」
――それは大谷さんのアイディアですか。

