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野球クロスロードBACK NUMBER
監督の表情はこわばり、ブラバンの姿はなく…甲子園“暴力事案”で揺れる広陵高 現地記者が感じたリアルは? 監督は「粛々と全力を尽くすだけなんで」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph bySankei Shimbun
posted2025/08/08 17:01
1回戦で旭川志峯に3-1で勝利した広島の広陵を率いる中井哲之監督。試合前の取材対応では強張った表情を見せていたが…
後日、加害生徒は謝罪したが、被害生徒は同月末で同校を転校しているという。
同7月。広島大会開催中、被害生徒側から被害届が提出されたとされている。
このあたりからSNSを中心に世間が騒がしくなる。真偽不明な情報が錯綜し、広陵への風当たりが強くなっていく。
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甲子園の開幕直前にはさらに波紋が広がったことを受け、開会式のあった8月5日に日本高野連が声明を発表。「学生野球憲章に基づく『注意・厳重注意および処分申請等に関する規則』では、注意・厳重注意は原則として公表しないと定めています」と述べた。
高野連の声明…過熱するSNSでの拡散
しかし、SNSなどから拡散された火は沈静化するどころか、ますます燃え盛り、全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)の大会本部は、対応に追われる羽目となった。翌6日には報道各社に「学校から報告されている内容以外に新たな事実関係はない」とした上で、広陵の甲子園出場の判断に「変更はない」とした。さらに、高校などへの誹謗中傷や差別的言動について「決して看過できません。(中略)くれぐれも慎んでいただきますようお願い申し上げます」と、真摯に呼びかけた。
また同日には、広陵高校も<令和7年1月に本校で発生した不適切事案について>と題し、調査結果を公表。
「SNS上などで取り上げられている情報について関係者に事情を聴取した結果、新たな事実は確認できませんでした」とした上で、「被害を受けられた生徒ならびにその保護者の皆さまには、重ねて深くお詫びを申し上げます。また、関係各位におかれましては、ご迷惑とご心配をおかけする事態となりましたことを、お詫び申し上げます」と謝罪。「全校を挙げて、再発防止に注力してまいります」と述べた。

