酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
セDH制電撃決定も“2027年から”のナゾ「高校野球も六大学も来年から」「メジャーは大谷翔平の存在で即断」原点は50年前の“反論9カ条”か
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/08/06 06:00
2027年からのDH制導入が決まったセ・リーグ。大谷翔平級でなければ「打席に立つ投手」は消えることになった
以後「DH制是か非か」の議論が延々と続いてきた。古き良き「昭和の野球」を無上のものとする人はいまだにDH制に否定的だ。
率直に言って、どちらが優れているという議論は不毛だと思う。どちらの野球にも一長一短がある。しかし、半世紀をかけて野球は「DH制があるスポーツ」へと一歩踏み出してしまったのだ。これはどうしようもないだろう。
なぜセDH制導入は「再来年から」なのか
それにしてもセ・リーグのDH制導入はなぜ「再来年から」なのか。
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報道によると、
「セ・リーグのスカウトは、DH制がない前提で外国人選手、日本人選手をスカウティングしてきたから」とのことだが、外国人選手はすべてDH制のあるリーグでプレーをしてきた。日本人選手でもDH制に慣れた選手が多い。来季に向けた編成計画の組み直しなどは多少あるかもしれないが――ちょっと苦しい説明ではないかと思う。
実はDH制の有無で、練習内容が大きく違うのは投手である。セ・リーグの春季キャンプでは、短時間ながら投手も打撃練習やバントの練習をする。ランチタイム特打で投手が楽しそうにバットを振るのをよく見たが、来年のキャンプでは、この1年だけのために投手はバットを手にすることになる。
意地を張らずに、高校野球や大学野球とともに、来年を日本の「ユニバーサルDH元年」にするほうが、よほどスマートだと思うが――いかがだろうか。
DHが主戦場の日本ハム・レイエスが打点を荒稼ぎ
【第17週】※2025年7月22日から8月3日まで
【チーム順位】
〈セ・リーグ〉
阪神98試59勝37敗2分率.615差-
巨人97試46勝48敗3分率.489差12
DeNA96試44勝47敗5分率.484差12.5
中日96試43勝51敗2分率.457差15
広島96試41勝50敗5分率.451差15.5
ヤクルト91試33勝53敗5分率.384差21
第17週
阪神8試6勝2敗0分率.750
ヤクルト8試5勝3敗0分率.625
巨人8試4勝4敗0分率.500
DeNA8試3勝5敗0分率.375
広島8試3勝5敗0分率.375
中日8試3勝5敗0分率.375
阪神がオールスター後も快進撃を続けており、マジックも点灯した。そして村上宗隆が復帰したヤクルトが「台風の目」になりつつある。
〈パ・リーグ〉
ソフトバンク97試58勝35敗4分率.624差-
日本ハム97試58勝37敗2分率.611差1
オリックス95試49勝43敗3分率.533差8.5
楽天95試44勝49敗2分率.473差14
西武96試44勝50敗2分率.468差14.5
ロッテ94試36勝55敗3分率.396差21
第17週
ソフトバンク8試7勝1敗0分率.875
楽天8試5勝3敗0分率.625
日本ハム8試4勝4敗0分率.500
オリックス8試3勝5敗0分率.375
ロッテ8試2勝5敗1分率.286
西武8試2勝5敗1分率.286
ソフトバンクが8試合7勝と大勝ちしてついに日本ハムを抜いた。オリックスが引き離されたが4位楽天とはまだ5.5差ある。

