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ドラフト1位指名を反故→「投手コーチをやらないか」牛島和彦と長嶋茂雄のすれ違いプロ人生秘話「僕みたいなやんちゃは紳士にはなれない」
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赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byNumberWeb
posted2025/08/05 11:14
トレード、そして現役引退後まで、牛島が激動の日々を明かした
その時、投手コーチが『無理です』と言えるかどうかです。そういうことがわかっているから、僕は投手コーチのお話はずっとお断りしていました。長嶋さんだけではなくて、みんな。
それに、ジャイアンツはクリーンなイメージがあるでしょう。巨人軍は紳士たれ、という。そこへ僕みたいなやんちゃが入っていったら、絶対にたたかれると思った。高校(浪商)から中日に入った時もそうなんですけど、いいことをしても一つも取り上げられなくて、ちょっと悪さをしたら、そればっかり書かれて。
僕としてはずっと自然に、やんちゃなまま生きたかった。そういうことで、長嶋さんには『すみません。僕、紳士になれないんです』と言ってお断りしたんですよ。長嶋さんも『そうかあ』と仰ってましたね」
「巨人・牛島」は2度幻に終わった
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こうして、ドラフトの時と、現役引退後と、「巨人・牛島」は2度幻に終わった。
ちなみに、牛島を含む4対1の交換トレードで中日に移籍した落合は、やはり長嶋のたっての要望で、94年シーズンから巨人へFA移籍している。
〈第5回/はじめから読む〉
#5
ドラフト1位指名を反故→「投手コーチをやらないか」牛島和彦と長嶋茂雄のすれ違いプロ人生秘話「僕みたいなやんちゃは紳士にはなれない」
#4
「オレが投げる日は抑えをやれ」ロッテで先発転向・牛島和彦に村田兆治の要望も…「200勝まで残り4勝は自分でやってください」でキャリアハイ
#3
「オレがウシを獲ってくれと言ったんだ」“あの大投手”のまさかの指名…空前のトレードでロッテ入り牛島和彦に「お前なんかやらかしたのか?」
#2
「野球を辞めてゴルファーになろうと」牛島和彦”史上最大のトレード”拒否に兄貴分・星野仙一が深夜の説得も…「気持ちは全然固まらなかった」
#1
「事前の打診とかないのかよ!?」落合博満との”1対4トレード”真相を牛島和彦が激白!「中日が『お金をこれだけ出すから』でカチン! と」

