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絶対王者に中盤まで“衝撃のリード”!?…高校野球「15人だけの連合チーム」が見せた“弱者の兵法”「野球って、やってみないと分からない」

posted2025/07/31 11:02

 
絶対王者に中盤まで“衝撃のリード”!?…高校野球「15人だけの連合チーム」が見せた“弱者の兵法”「野球って、やってみないと分からない」<Number Web> photograph by Genki Taguchi

かつては福島商の監督としてたびたび県大会の上位に顔を出していた菅原裕一監督。今大会は福島北・伊達の連合チームの監督として「ジャイキリ」に挑んだ

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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 今年も8月に開幕する甲子園の代表校が出そろった。今後は聖地での熱い戦いが期待される一方で、既に閉幕した地方大会では日の目を見なかった「名勝負」も多々あった。絶対王者・聖光学院が順当に甲子園出場を決めた福島県では、その皇帝が初戦で「まさかの苦戦」を強いられる結果に。しかもその相手は、「弱小」と見られがちな公立校の連合チーム――。“世紀の番狂わせ”を目指した連合チームのウラ側を取材した。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

 伊達との2つの県立高による連合チームを指揮した福島北の菅原裕一は、過去に福島商の監督として夏の福島大会でベスト4を3回、ベスト8を2回の実績を持つ。相手の分析力と選手の適性を見出す指導力は、県内ではトップクラスと言っていい。

 そうは言っても、菅原は福島県の教員であり、定期的な異動は避けられない。2018年の4月から福島北の監督となり、一昨年の夏から連合チームとしての日々を過ごすなかで、当然のように嘆きはある。

「正直、選手の能力で言ったら他の高校より劣りますよ。しかもそんななかで連合チームとなると、土日しか合同で練習できません。そこでもフリーバッティングとシートノック、あとは個別で練習をちょっと見て終わり。なので守備の投内連係や走塁といった細かい練習になかなか時間を割くことができないですよね」

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 昨夏からの福島北は、平日の練習はバッティングがメインだった。

 マシン相手にストレート、左右のピッチャーを想定したカーブをそれぞれ30球。およそ2時間の全体練習で余裕があれば、ノックで守備を鍛える日もある。チームには試合を任せられるピッチャーがいないため、主戦がいる伊達を指導する安達隆太と密に連絡を取りながら、ピッチングフォームや配球面など、土日の合同練習で詰め切れなかった点をブラッシュアップする。

強豪校とは「勝負にならない」と言うが…?

 菅原から普段の様子を聞くと、体裁を保つ作業で手いっぱいのような印象を受ける。

 県内で上位クラスの福島商を指導してきただけに、物足りなさがあるのではないか――そう菅原に向けると「そりゃあ、そうじゃないですか。勝負にならないですもん」と笑う。

 ただし、悲観に支配されているわけでもない。

【次ページ】 2回戦で王者・聖光学院と…「もう、最高でした」

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