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高校野球“世紀の番狂わせ”を目指した「15人の連合チーム」ウラ話…「爪痕は残せるかな」“絶対王者”聖光学院に「中盤までまさかのリード」の衝撃
posted2025/07/31 11:01
8強入りした春のセンバツに続いて、夏も4年連続20度目の優勝を遂げた福島・聖光学院。まさに「絶対王者」だが、実は初戦では思わぬ苦戦も
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田口元義Genki Taguchi
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Genki Taguchi
今年も8月に開幕する甲子園の代表校が出そろった。今後は聖地での熱い戦いが期待される一方で、既に閉幕した地方大会では日の目を見なかった「名勝負」も多々あった。絶対王者・聖光学院が順当に甲子園出場を決めた福島県では、その皇帝が初戦で「まさかの苦戦」を強いられる結果に。しかもその相手は、「弱小」と見られがちな公立校の連合チーム――。“世紀の番狂わせ”を目指した連合チームのウラ側を取材した。《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
「強者」たる実績が並ぶ。
昨秋の東北王者で、今春のセンバツではベスト8。春の県大会でも優勝し、第1シードで臨んだ夏の福島大会も制した。
順当。4年連続で甲子園出場を決めた福島・聖光学院の戴冠は、そんな確証すら与える。
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ただ、そういった世間のイメージを誰よりも嫌うのは、当事者である聖光学院だ。
今年は優勝までの5試合のうち、実に4試合が逆転での勝利。先行逃げ切りとなった3回戦の郡山商戦も8回に1点差に詰め寄られ、3-1と薄氷を踏む1戦だった。
優勝でも指揮官は「やっぱり野球は技術じゃない」
監督の斎藤智也は、優勝直後の囲み取材でやや疲れた表情を見せ大会を振り返っていた。
「やっぱり野球は技術じゃない。魂の集結が夏なんだな、と。どんなチームにも凄味がある。それを感じた大会だったね」

