「このチームには何を起こすかわからないワクワク感がある」頼れる兄貴分・DeNA京田陽太31歳の阪神追撃への献身「追われる方も不気味なはず」 

「ちょっとした動きが落ちているのは感じているので、そこはピッチャーとキャッチャーがミーティングをして今日はどうやって攻めて行くか見えてくるので、配球を意識しながら思い切ってポジションを変えてみたり、変化球だからこっちに寄ってみようとか、状況を観察しながらプレーすることが増えてきましたね」

投手への具体的な声掛け

　バッテリーの呼吸や考えを読み解き、臨戦態勢をとる。このことを聞いて思い出したのが、4年目の小園健太が今季初めて先発として投げた7月3日の中日戦（横浜スタジアム）である。

　3対3と同点の3回表、2アウト、ランナー二塁のピンチの場面。相手は前打席でホームランを打たれていたジェイソン・ボスラーだった。このとき京田はマウンドへ歩み寄り、緊張した面持ちの小園に次のように言った。

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「（ボールが）内に入っていかないように。攻めるなら攻める、散らすなら散らすで、しっかりメリハリをもって投げていこう！」

　野手の投手に対する声掛けというのは、「打たれても、しっかり守るから」など、リラックスを促す言葉がほとんどだと推測していたが、ここまで具体的にアドバイスしているとは思わなかった。これも京田がしっかりとバッテリーの意図や配球を理解しているからだろう。そのことについて尋ねると、京田は「そう、はっきりと言いましたね」と、頷いた。

野手がマウンドに集まるシーンはよく見るが、ここまで具体的な声掛けをしているとは（左から2番目が京田）　©Hideki Sugiyama

「結構、僕は伝える方ですね。もちろんピッチャーによってですけど、見ていてだいたいわかるんですよ。ああ、そこに投げたくないんだろうなとか。そこで一言、後押ししてあげる。僕自身、打席に入るとき迷いがあったりすると、コーチなどに後押しされることで割り切れるタイプなんです。まあでも結果、あそこで抑えることができたのは小園の実力ですよ」

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