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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
じつは阪神・佐藤輝明が三冠王圏内…「戦時中以来の“3割未満”首位打者か」「防御率1点台がセパで8人」異常すぎるプロ野球タイトル争い
posted2025/07/25 06:01
本塁打王争いで断トツ、打点王でも1位の佐藤輝明。今後の打率次第では三冠王も射程の状態にある
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
セ首位打者争いに3割打者がいない衝撃
実際には試合数の6割以上を消化しているが、プロ野球ではオールスター前のこの時期までを「前半戦」という。前半戦終了時点での投打の主要タイトル争いを見ていこう。まずは打者から。
【打率】
〈セ・リーグ〉
岡林勇希(中).294(354打104安)
小園海斗(広).294(337打99安)
近本光司(神).292(373打109安)
中野拓夢(神).292(332打97安)
佐藤輝明(神).286(343打98安)
〈パ・リーグ〉
西川龍馬(オ).314(277打87安)
村林一輝(楽).314(306打96安)
太田椋(オ).305(259打79安)
周東佑京(SB).302(252打76安)
柳町達(SB).290(255打74安)
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セは3割打者がいない。.290以上も4人だけ。首位打者が3割未満となれば、戦時中の1942年、巨人の呉波が.286(370打106安)で首位打者になった例があるだけ。セパ両リーグになってからは初。実は規定打席未達の選手を見渡しても、100打席以上で3割打者は故障欠場中の巨人・岡本和真の.308(117打36安)だけ。セは規定打席以上もわずか17人で、これも2リーグ分立後最少だ。
パは負傷して登録抹消になった西川が規定打席を割り込みそうだが、楽天・村林、オリックス太田、ソフトバンク周東が3割。最近規定打席に到達した周東に勢いがある。
【最多安打】
〈セ・リーグ〉
近本光司(神)109安(90試)
岡林勇希(中)104安(88試)
小園海斗(広)99安(87試)
ファビアン(広)99安(88試)
佐藤輝明(神)98安(89試)
〈パ・リーグ〉
村林一輝(楽)96安(82試)
ネビン(西)94安(88試)
西川愛也(西)91安(88試)
清宮幸太郎(日)88安(85試)
西川龍馬(オ)87安(69試)
セは阪神不動の1番打者・近本の2回目のタイトルが有望か。中日の1番打者岡林がこれを追う。岡林も取れば2回目。パは楽天・村林と西武のネビン、西川。1番打者の西川が有利か? ここまで76安打ながらソフトバンクの周東が追い上げるのではないか。
本塁打は佐藤輝とレイエス…では打点は?
【本塁打】
〈セ・リーグ〉
佐藤輝明(神)25本(89試)
森下翔太(神)16本(90試)
牧秀悟(De)15本(88試)
上林誠知(中)11本(86試)
ファビアン(広)10本(88試)
〈パ・リーグ〉
レイエス(日)20本(82試)
万波中正(日)16本(85試)
山川穂高(SB)14本(78試)
ネビン(西)10本(88試)
山本大斗(ロ)10本(67試)
二けた本塁打が両リーグ合わせて10人しかいない。セは阪神・佐藤が7月に入って6本塁打と勢いが止まらない。少し気が早いが当確か。40本はクリアしたいところ。パは日本ハムのレイエスと万波の争い。山川の2年連続は厳しいか?

