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「僕は背も低いし、体も小さい」身長164cmの育成選手→オールスター出場へ…西武の21歳・滝澤夏央が語る「レギュラーへの転機」「僕の生きる道」
posted2025/07/24 11:03
小さな体をものともせず躍動感溢れるプレーで魅了する滝澤
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
JIJI PRESS
試合の序盤にも関わらず、すでにユニフォームは泥だらけになっている。ヘッドスライディングでベースに滑り込み、フォアボールを選んではガッツポーズで一塁に向かう。164cmの体を目いっぱい使った全力プレーが滝澤夏央の信条だ。
オールスターに初出場
昨年、最下位に終わったライオンズだが、今シーズン、前半戦は42勝45敗1分となんとか上位チームに食らいついている。今年からレギュラーとして出場している西川愛也、長谷川信哉、渡部聖弥、そして滝澤らの成長がチームの躍進を支えている。
なかでも滝澤は2番・セカンドに定着し『マイナビオールスターゲーム2025』にも監督選抜で初選出された。
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オールスターのファン投票期間中に話を聞くと、飄々とした表情でこう答えた。
「得票数ですか? 見てないです。多いんですか? 周囲の人から言われたことはありますけど、あまり気にしていないです」
監督選抜枠の発表の際には「本当にびっくりした」と真顔で語った。
育成出身のシンデレラボーイ
滝澤は2021年ドラフト育成枠2位でライオンズに入団した。プロ入り1年目の2022年5月13日に支配下選手登録されると、故障離脱した源田壮亮に替わって即スターティングメンバーとして出場を果たした。同日にプロ初ヒットを放ち、翌日にはプロ初打点をマーク。2日連続でお立ち台にも上った。
翌23年は16試合とファームで過ごす時間が長くなったが、24年は68試合と出場試合数を増やす。
そして迎えた今シーズンだった。


