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「(陸上を)やめようかなと思った時期も…」高校生で800m日本王者→米大学進学で不調に…4年ぶり日本選手権で激走“東京五輪のホープ”が復活のワケ 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byYuki Suenaga

posted2025/07/22 11:03

「(陸上を)やめようかなと思った時期も…」高校生で800m日本王者→米大学進学で不調に…4年ぶり日本選手権で激走“東京五輪のホープ”が復活のワケ<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

日本選手権800mで4位に食い込んだクレイアーロン竜波(ペンシルベニア州立大学)。レース後は優勝した落合晃(駒大)と健闘を称え合った

 そして大学卒業後もアメリカに残り、昨年8月には名門ペンシルベニア州立大学の大学院に進学した。すると、そこで転機が訪れる。

「新しい環境ではコーチに恵まれました。800mっていろんな選手がいると思うんですけど、コーチは個人個人で違う練習を立ててくれて、自分に合った練習を作ってくれます」

 新たなチームメイトには、千葉・八千代松陰高からペンシルベニア州立大に進み、ショートトラック(室内)で800mの日本記録(1分46秒41)をもつ石井優吉もおり、さっそく環境に馴じむことができたという。

ついに…今季「6年ぶり」の自己新記録

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 こうして息を吹き返すと、今季は春先から好調を維持。6月15日のポートランド・トラックフェスティバル(アメリカ)では1分46秒31の自己新記録をマーク。実に、高3で日本一になった、あの日本選手権以来“6年ぶり”の自己ベストだった。

 そして、7月の日本選手権でも好調をキープ。ハイレベルな予選を勝ち上がり決勝に駒を進めた。

 その決勝では、スタートから先頭に立った落合晃(駒大)のすぐ後ろを走った。

 5歳年下の落合は、クレイアーロンが持っていた高校記録等を塗り替えたばかりか、一気に日本記録保持者となった選手。「今、日本の中距離界をリードしている存在。刺激を受けている」とその実力を認めている。予選でも同じ組を走り、その強さをまざまざと見せつけられていた。

【次ページ】 戻ってきた「強いクレイアーロン」

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