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「(陸上を)やめようかなと思った時期も…」高校生で800m日本王者→米大学進学で不調に…4年ぶり日本選手権で激走“東京五輪のホープ”が復活のワケ 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byYuki Suenaga

posted2025/07/22 11:03

「(陸上を)やめようかなと思った時期も…」高校生で800m日本王者→米大学進学で不調に…4年ぶり日本選手権で激走“東京五輪のホープ”が復活のワケ<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

日本選手権800mで4位に食い込んだクレイアーロン竜波(ペンシルベニア州立大学)。レース後は優勝した落合晃(駒大)と健闘を称え合った

「もう陸上は無理かなと思って、一瞬、やめようかなと思った時期もありました。(「いつぐらい?」と聞かれて)大学2、3、4年ぐらい……ほとんどですね(笑)。正直、メンタルは結構、死んでいました」

 本人は当時の心情をこう振り返る。

 こうして復活を果たした現状を鑑みれば、不調の原因は単純なことでもある。当時の練習が「自分に合っていなかった」という一言に尽きるのだろう。

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「相洋高の頃はサーキットだったり、プライオ系(プライオメトリックトレーニング:ジャンプトレーニングなど)をやっていたんですけど、テキサスA&M大学では初めてウエイトトレーニングをやったんですよ。それがあんまり良くなかったのかな。それでガタイが良くなって、結果的に走れる筋肉じゃなかった。体が重かったですね。しかも、スピード練習ばっかりだったので……」

 加えて、世の中は新型コロナ禍の真っ最中。気軽に治療院に通うこともままならなかったことも、不調に陥った一因にはあった。

陸上競技をやめなかったワケは…?

 ただ、それでもクレイアーロンは走ることをやめなかった。

「やっぱり応援してくださっている人はいっぱいいるので。自分のためでもありますが、その人たちのためにも頑張って続けたいと思いました」

 結局クレイアーロンは、大学生活4年間を全うし、きっちりとテキサスA&M大学を卒業した。学業成績も日本以上に求められるアメリカでの大学だけに、競技だけではない大変さもあったはずだ。

【次ページ】 ついに…今季「6年ぶり」の自己新記録

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