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阪神セ独走態勢のナゼ…“防御率1点台だらけ先発陣”だけでない盤石さ「救援は3連投ほぼなし」「富士山型の打線」「じつは守備率が大改善」
posted2025/07/15 11:05
11連勝するなどセ・リーグで独走態勢に入った阪神。強さの要因とは
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広尾晃Kou Hiroo
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JIJI PRESS
交流戦明けから、セ・リーグは阪神が独走態勢に入ったといってよいだろう。
藤川監督は岡田前監督の路線を継承した
7月13日終了時点での、セ・リーグのチーム順位。
阪神85試51勝32敗2分率.614差-
巨人85試41勝41敗3分率.500差9.5
DeNA82試38勝40敗4分率.487差10.5
広島82試37勝41敗4分率.474差11.5
中日83試37勝44敗2分率.457差13.0
ヤクルト79試24勝50敗5分率.324差22.5
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セ・リーグは交流戦で43勝62敗2分、勝率.410と史上最低勝率に終わった。阪神も6連敗するなど8勝10敗だったが、他球団も不振だったために、阪神は交流戦前の首位の座をキープした。そして交流戦後は13勝2敗と勝ちまくり、貯金を19まで伸ばし、巨人との差を9.5に拡げた。藤川球児監督の「用兵」「采配」は、一言で言えば「オーソドックス」。奇をてらった選手起用は少なく、投打ともに主力陣を固めてきた。この采配は、前任の岡田彰布監督の路線を継承したといってよい。
この15試合、57得点23失点。圧勝は少なく、3点差以内の勝利が9と接戦をものにしてきた。大勝ちするかわりに大負けもするという出入りの大きい戦い方ではなく、常に接戦に持ち込んで勝機を窺うという戦い方だ。
4人が防御率1点台の先発、リリーフは“3連投ほぼなし”
特筆すべき1つ目の要素は「先発の安定感」だ。
〈交流戦後の先発陣〉
デュプランティエ3試3勝0敗23回11安0本4球26振 率1.64
伊藤将司 3試3勝0敗23回10安1本4球15振 率0.39
才木浩人 2試2勝0敗10回11安0本5球7振 率0.90
大竹耕太郎 2試2勝0敗13.2回13安0本1球1振 率0.66
村上頌樹 2試1勝1敗16回21安3本5球9振 率5.63
伊原陵人 2試0勝0敗10.2回12安0本6球7振 率4.22
6人のローテーションのうち4人が1点台以下、抜群の安定感である。新人の伊原はファーム降格となったが、この6人で13勝のうち11勝。投球回数は合わせて96.1回とチーム投球回数の7割を超す。

